二人のウラジーミル――レーニンとプーチン

価格: ¥2,420 (税込)
[ポイント還元 96ポイント~]
数量:
在庫: 在庫あり

返品についての詳細はこちら

twitter

  • 伴野文夫 著
  • 四六変上製 240頁
    ISBN-13: 9784865784275
    刊行日: 2024/6

グッバイ、レーニン!!

ウラジーミル・レーニン(1870-1924)死去から百周年の今年、ウラジーミル・プーチン(1952-)のウクライナ侵略と、反体制派への徹底弾圧に終わりは見えない。
現在のこの暴虐の出発点は、「プロレタリア独裁」創始者レーニンだった。国有化・計画経済を進めたソ連の御旗「マルクス・レーニン主義」という、マルクスから乖離したその虚妄を衝く。


目次

はじめに

第一部 レーニンとは何者か?――帝政ロシアの「田舎者」が世界革命の指導者になるまで
 序章 最後の苦闘――脳障害の発作で死にいたる
 第1章 地方都市から世界革命の大舞台へ
 第2章 革命の表舞台に登場
 第3章 革命前夜――二月革命で帝政崩壊
 第4章 世界初の社会主義政権成立――十月革命
 第5章 内戦の勝利、飢餓とNEP、レーニンの第三インター結成

第二部 徹底解剖・レーニン主義
 第1章 「マルクス・レーニン主義」という思想はありえない
 第2章 マルクスはアソシエーション(協同体)実現の道筋は語らずに『資本論』の仕上げに没頭した
 第3章 レーニン革命の戦略の書『国家と革命』徹底解剖――プロレタリア独裁は死滅する国家に替われるか

まとめ――レーニン革命とは何だったのか

レーニンよ、さらば――そして、これから
 第1章 レーニン主義崩壊のあと残るのはリベラルな資本主義だけ、という過ち
 第2章 レーニンはなぜ西欧資本主義を倒せなかったか
 第3章 日本におけるマルクス再評価――斎藤幸平の画期的登場
 第4章 トマ・ピケティは企業経営権の労使共有を提言――労働を商品化から解き放つ
 本書をしめくくるための最終章――ベストセラー『人新世』の読者が本もののマルクスを知った

むすびのことば

関連年表(1870-1991)/主要人物一覧/用語解説/参考文献

関連情報

 2024年1月21日は、レーニンが53歳で早逝してからちょうど百年にあたる年だ。1991年、旧ソヴィエト連邦の崩壊・消滅で、レーニンのプロレタリア革命が失敗であったことは歴史的事実になった。しかしレーニンの革命理論のどこが間違っていたのか、その理論的な解明は、なぜか世界的にほとんど行われていない。この機会に「レーニンの失敗の本質」を徹底的に追及する必要がある。
 レーニンはもう昔話じゃないですか。レーニンの失敗の解明なんて、もはや世間の関心を引きつけることはないですよという人もいる。そんなことはない。プーチンの言語道断の隣国に対する武力侵略は、まさに歴史的な大ロシア主義から生まれたものであり、レーニンとプーチンという“二人のウラジーミル”には、名前だけではない多くの共通点があるのだ。(本書「はじめに」より)

著者紹介

●伴野文夫(ばんの・ふみお)
1933年東京生まれ。元NHK国際・経済担当解説委員。1959年、東京大学文学部西洋史学科卒。同年、NHKに報道局放送記者として入社。1968-83年、ブリュッセル、パリ、ボン(西ドイツ)特派員を歴任。1987年より国際・経済担当解説委員。NHKスペシャル「日本の条件『マネー』」三部作のキャスター(1981年)。1995-2001年、杏林大学社会科学部教授。
著書に『ユーロは絶対に崩壊しない――米英マネー資本主義に立ち向かうEUの大陸資本主義』(幻冬舎ルネッサンス新書、2016)『エマニュエル・マクロン フランスが生んだ革命児』(幻冬舎、2017)『2050年、未来秩序の選択――「アングロサクソンの時代」から「地球協同体」へ』(NHK出版、2021)他。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

ページトップへ