- ロナルド・ドーア 著
- 四六変上製 272頁
ISBN-13: 9784865780000
刊行日: 2014/11
「親日家」から「嫌日家」へ!?
依然としてどこよりも暮らしやすい国、しかし近隣諸国と軋轢を増す現在の政治、政策には違和感しか感じない国、日本。戦後まもなく来日、70年間の日本の変化をくまなく見てきた社会学者ドーア氏が、「親日家」から「嫌日家」へ!?
目次
日本をどう見てきたか――序にかえて
第一部 親日家が歓迎される時代――1950年代
1 占領下の日本
2 日本の社会の中へ――日本びいきの時代(その一)
第二部 占領「終焉」から安保闘争まで 1952-60
3 自信をとり戻す日本
4 日本の農村的ルーツを知り始めた時代
第三部 安保からオイル・ショックまで 1960-73
5 高度成長の時代
6 親日家ドーアの当時の雑想――日本びいきの時代(その二)
第四部 オイル・ショックからプラザ合意まで 1973-85
7 官僚国家から市場国家へ
8 本を真剣に考える
第五部 プラザ合意から橋本内閣の誕生まで 1985-97
9 民愚官賢、民弱官強の最後の時代
10 建設的(?)批判者となった時代
第六部 新自由主義の浸透からアベノミクスまで 1997-2013
11 新自由主義、アメリカ化から逆戻りの兆し?
12 幻滅
〈付録1〉三権分立――「民尊官卑」時代の民主主義
〈付録2〉やまと屋の犬
関連情報
私の対日観を変えたのは、その後の憂うべき右傾化である。その原因は、中曽根や小泉など、我の強い政治家個人の世界観の影響もあっただろうが、十二年前に書いた『日本型資本主義と市場主義の衝突』で述べたように、米国のビジネス・スクールや経済学大学院で教育された日本の「洗脳世代」が、官庁や企業や政党で少しずつ昇級して、影響を増して、新自由主義的アメリカのモデルに沿うべく、「構造改革」というインチキなスローガンの下で、日本を作りかえようとしてきたことが大きな原因だったと思う。
(本書より)
(本書より)
著者紹介
●ロナルド・ドーア(Ronald Dore)
1925年英国ボーンマス生。戦時中に日本語を習い、1950年の日本留学以来、ロンドン、ブリティッシュ・コロンビア、サセックス大学開発問題研究所、ハーバード、MITの諸大学で教鞭を取りながら、主として日本の社会経済構造の研究および日本の経済発展史から見た途上国の開発問題の研究に専念。著書に『金融が乗っ取る世界経済』『働くということ』(中公新書)『誰のための会社にするか』(岩波新書)『日本の転機』(ちくま新書)『日本との対話』(岩波書店)他多数。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです
1925年英国ボーンマス生。戦時中に日本語を習い、1950年の日本留学以来、ロンドン、ブリティッシュ・コロンビア、サセックス大学開発問題研究所、ハーバード、MITの諸大学で教鞭を取りながら、主として日本の社会経済構造の研究および日本の経済発展史から見た途上国の開発問題の研究に専念。著書に『金融が乗っ取る世界経済』『働くということ』(中公新書)『誰のための会社にするか』(岩波新書)『日本の転機』(ちくま新書)『日本との対話』(岩波書店)他多数。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです