ISBN-13: 9784865780048
刊行日: 2014/12
戦後の旧満洲で育った中国女性が、親鸞の思想から、満洲国とは何だったかを考える。
美しき故郷、長春は、日本人が築いた満洲国の都、新京である。医師であった父、満映に勤めた母の若き日々は、「満洲国」の盛衰とともにあった。
奪った日本人も、奪われた中国人も、歴史の傷は深く苦しく、歴史の悲劇は避けることはできない。だからこそ、悪人の苦悩にも寄り添う親鸞の視座から、旧満洲の真実が見えてくる。
目次
第1章 満洲国の誕生
第2章 日中全面戦争と満映
第3章 太平洋戦争
第4章 満洲国の最期
終 章 親鸞の視座に照らして――命のつながり、その闇と光
関連情報
■二〇一〇年六月、私は故郷の長春へ帰省した。飛行機から「森の城」といわれる長春を見下ろすと、緑に覆われたこの城は、広々と広がる東北平原の黒い大地にはめこまれている一塊の緑の翡翠のようである。
■長春とは、日本人によって作られた街である。一九三一年、日本人は中国の東北地方に入って、そこで「満洲国」という国をつくった。その時長春は、満洲国の都とされ、新京と名づけられた。
■八十年前、旧満洲の時代に日本人が作ったこの美しい町は、後に、中国の人々にも心血を注がれて、今、現代的な風貌を加え、いっそう美しく輝いている。
(本文より)
■長春とは、日本人によって作られた街である。一九三一年、日本人は中国の東北地方に入って、そこで「満洲国」という国をつくった。その時長春は、満洲国の都とされ、新京と名づけられた。
■八十年前、旧満洲の時代に日本人が作ったこの美しい町は、後に、中国の人々にも心血を注がれて、今、現代的な風貌を加え、いっそう美しく輝いている。
(本文より)