老子に学ぶ――大器晩成とは何か

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  • 上野浩道 著
  • B6変上製 224頁
    ISBN-13: 9784865780208
    刊行日: 2015/4

将来の“大器”たちへ――ありのままに生き、しなやかに学び、無理なく育てる

「『道』は『自ずから然り』を手本とする」「最上の善とは水のようなものである」。
老子の言葉は現代に知られているものも多いが、その思想を象徴するものとして、大器晩成(大いなる容器はできあがるのがおそい)という言葉がある。
老子の思想の人間のあり方と人間形成の仕方についての大らかな視点に学び、教えること、学ぶこと、育てることの根源的意味を問いかける。


目次

 はじめに
 老子の言葉

第1章 素と朴を守る
 一 大いなるもの
 二 無垢と経験のあいだ
 三 素朴という宝もの

第2章 急所を見て
 一 無理はしない
 二 心がくつろぐ
 三 教えないように教え

第3章 学びほぐす
 一 しなやかな心
 二 もう一度わからなくなる
 三 明るさが和らぐ

第4章 心地よく
 一 気の流れる関係
 二 心地のいい環境
 三 水のようなふるまい

第5章 大器は晩成なり
 一 早熟の時代に
 二 早熟の罠 晩熟の夢
 三 晩熟を見直す

 おわりに

関連情報

■現実社会のなかで自分本来のありのままの姿勢を貫いて生きることはなかなか難しい。さらに、その育て方にも迷ってしまう。そこで、ありのままに生きるような人間がどのように育てられ形成されるかに関して、「老子の思想」にはヒントになることが多く含まれている。その考え方を象徴するものとして、「大器晩成」という言葉が残されている。この「大器晩成」のように生きて育っていくことは、どのような構造になっているのかを探るのが、本書のねらいである。
■本書は、老子や荘子のスケールの大きな視点をふまえて、教えること、学ぶこと、育てることの根源的意味を問うものである。彼らは、教えること、学ぶこと、育てることの極点を示している。その究極の思想は、ありのままに生き、しなやかに学び、無理なく育てることの重要性を今日の私たちによみがえらせてくれている。
(「はじめに」より)


上野浩道(うえの・ひろみち)
1940(昭和15)年、奈良市生まれ。
お茶の水女子大学名誉教授、東京藝術大学名誉教授。
専門は教育哲学、芸術教育学。東京大学大学院修了。教育学博士。
花園大学講師、フルブライト上級研究員(オレゴン大学准教授)、お茶の水女子大学教授、附属中学校長、文教育学部長、東京藝術大学教授、附属図書館長などを歴任。
主な著書に『芸術教育運動の研究』(風間書房、1981年、日本児童文学学会奨励賞)、『知育とは何か――近代日本の教育思想をめぐって』(勁草書房、1990年)、『日本の美術教育思想』(風間書房、2007年)、『美術のちから 教育のかたち――“表現”と“自己形成”の哲学』(春秋社、2007年)、『形成的表現から平和へ――美術教育私論』(東京藝術大学出版会、2010年)など、訳書に張鍾元『老子の思想』(講談社、1987年)、ナンシー・R・スミス『子どもの絵の美学』(勁草書房、1990年)、D・シスルウッド『ハーバート・リードの美学』(共訳、玉川大学出版部、2006年)など。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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