日本発の「世界」思想――哲学/公共/外交

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  • 東郷和彦 森哲郎 中谷真憲 編
  • A5上製 384頁
    ISBN-13: 9784865781076
    刊行日: 2017/1

日本はいかなる哲学をもって、いかなる国家を作り、諸外国と関われるか。

中国の巨大な影が兆し、米国の影が薄れ、日米同盟への盲目的依存では立ちゆかない今、「日本という場所」から発信し、世界に問えるものはあるのか!?
国際的な執筆陣を揃え、〈無からの包摂〉としての哲学、〈間(あわい)〉としての国家論・公共、 〈和(やわらぎ)〉としての外交、という根―幹―枝の構想で呈示する。


目次

序章 本書はいかにして書かれたか  東郷和彦

第一部 無からの包摂――「世界」問題
 〈問題提起〉「世界」問題と「日本的霊性」  森哲郎
 第一章 問題としての世界  秋富克哉
 第二章 絶対無と世界的世界  ロルフ・エルバーフェルト
 第三章 西田哲学の世界性  氣多雅子
 第四章 「主体」から「場所」へ  森哲郎
 第五章 自由な賓主互換  ブレット・デービス
 第六章 比較思想と普遍思想  福井一光
  〈コラム〉文学によるニヒリズムの主題化  川合全弘

第二部 〈間(あわい)〉としての公共
 〈問題提起〉主客二分論を超えて  中谷真憲
 第一章 〈第三の生命〉論  小倉紀蔵
 第二章 西田幾多郎そして鈴木大拙との対話・共働・開新  金泰昌
 第三章 産官学民連携による公共性の創造  中谷真憲
 第四章 世界的経済循環における中国内生的経済循環  岑智偉
 第五章 持続可能な地域実現と日中環境協力  焦従勉
  〈コラム〉ナショナリズムからソフトパワーへ  植村和秀

第三部 〈和(やわらぎ)〉としての外交
 〈問題提起〉「哲学」から〈和〉としての外交へ  東郷和彦
 第一章 現代国際政治の思想的背景  中西寛
 第二章 力の対立と文明の相克  東郷和彦滝田豪
 第三章 日中関係の深層を探る  王敏
 第四章 地理、文明、そして日韓関係  ロー・ダニエル
 第五章 アメリカ外交における理念と力  高原秀介
  〈コラム〉IS問題と国家崩壊  北澤義之

終章 無、間、和――日本の思想の問いかけるもの  中谷真憲

関連情報

◎第一の層は、分析の「根」にあたる部分であり、日本が、これからよって立っていくべき国家・民族・市民社会の根源を形造る「アイデンティティ」とは何かという、哲学・思想・宗教の分析を基本とする文明論である。
◎第二の層は、「幹」にあたる国家目標そのものであり、日本の一番よいもの、すなわち、日本の自然と伝統を生かし、その上に、技術を最大限に発展させ、新しい公共を分かち合う、人間を大切にした共同体形成を核心とすべきと考えている。
◎第三の層は、「枝」にあたる外交政策の部分である。基本的安全保障と防衛政策、対中国・米国政策、それ以外の対欧州、ロシア、その他のアジア諸国への対応、地域共同体のありかた、グローバル化の下で提起されるあらゆる問題にどう対応すべきかなどの問題に解を与えていかねばならない。
(本文より)

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