読書する女たち――十八世紀フランス文学から

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  • 宇野木めぐみ
  • 四六上製 320ページ
    ISBN-13: 9784865781113
    刊行日: 2017/01
  • かつて“小説を読む女性は堕落している”とされていた!

    ◎男女ともに識字率が大きく上昇した十八世紀フランスでは、「女性が読書する」習慣も根づきつつあった。
    ◎しかし知恵や理性のイメージが大きい「男性の読書」と対照的に、「女性の読書」は感情的・官能的な夢想を恣にする「小説」の読書として、好ましからざるイメージが大きく、「道徳性」と強く結びついていた。
    ◎ルソー『新エロイーズ』、アベ・プレヴォー『マノン・レスコー』、ラクロ『危険な関係』…などから、ほぼ家庭運営のみ意図されていた「女子教育」の黎明期の「女性読者」を軸に、十八世紀フランス文学の世界を描きだす。

    目次


    序 読者のイメージ、イメージの読者
    第一章 十八世紀フランス絵画における書物
    第二章 文人たちの女子教育論と小説
    第三章 小説の有害性と効用
    第四章 小説における読書する女性たち
    結論

     註/参考文献/参考URL/初出一覧/あとがき/図版一覧/索引

    関連情報

    ◎女性と小説は視覚的なイメージの中で結びつけられ、道徳的に非難されまた揶揄される対象になっていたのではないか。
    ◎そのような女性と小説の読書の関連付けが行われたのは、女性が読者たりえる現実的基盤が十八世紀において実現しつつあったということと、女性が小説を読むことを道徳的観点から制限する言説が生み出されていたことに由来しているのではないか。
    ◎あらかじめ女性にとって「反道徳的」とされた小説において、作家たちは道徳的教訓を盛り込むことで、小説を「道徳化」し、現実の女性読者が接近しやすいようにしていたのではないか。
    ◎小説内の登場人物である女性たちの読書は、明らかに男性たちの読書とは異なった価値観を付与され、美徳あるいは堕落といった道徳的規準で語られる傾向が顕著ではないか。
    ◎このような同時代の共通認識・イメージを作家たちはときに周到に利用しつつ小説を構築していったのではないか。
    (「序」より)

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