世界人権論序説――多文化社会における人権の根拠について

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  • 森田明彦 著
  • 四六上製 248頁
    ISBN-13: 9784865781434
    刊行日: 2017/9

真に普遍的な「人権」概念をいかに構築するか?

「人権」概念が世界的に普及しつつある今、多文化主義との交錯のなかで、「西洋近代」という出自を超え、より普遍化する論理が求められている。Ch・テイラーらを参照しつつ、非西洋地域の文化と伝統のなかにも「人権」の正統化の根拠を探る、気鋭による野心作。


目次

 はじめに

第一章 「理念としての人権」と「道徳的権利としての人権」

第二章 規範概念としての人権――メタ倫理学的アプローチ

第三章 人権の根拠に関する比較思想史の試み

第四章 東アジアにおける人権の根拠――「義理」と「天理、国法、人情」

第五章 新たな人権理論の必要性――将来世代の権利

 おわりに

 参考文献/主要人名・事項索引

関連情報

 本書は、人権の基層哲学、日本社会における人権の受容を巡る精神史的課題、国際人権の新たな課題という問題の解明を通じて、現代多文化社会における人権の普遍性を巡る国際的な論争に日本から参画しようとする試みである。
 私は、本書において「人権」を巡る三つの課題を取り上げた。
 第一に、人権とは何か?
 第二に、人権の「土着化」に必要な精神史的課題は何か?
 第三に、人権の新たな課題は何か?
 私の考えでは、人権とは、社会的存在である人間が一人ひとりのかけがえのない「善き生」を生きるために必要な自由と生存を保障する装置であると同時に、その実現が人類にとって普遍的な道徳的責務であることへの人類的コミットメントを表出する理念である。私は、人権には「道徳的権利としての人権」と「理念としての人権」があると考えている。
(「はじめに」より)

著者紹介

●森田明彦(もりた・あきひこ)
1958年生まれ。東北大学文学部卒。外務省、国際連合開発計画、財団法人日本ユニセフ協会広報室長、東京工業大学特任教授等を経て、2010年4月より尚絅学院大学教授。博士(学術、早稲田大学)。専門は人権思想、国際人権論、グローバル教育。2016年4月より2017年3月までコロンビア大学(米国ニューヨーク市)人権研究所客員研究員。
著作に、『人権をひらく――チャールズ・テイラーとの対話』(藤原書店)、論文Difference in the Conceptions of Self as subject of human rights between the West and Japan - Can Confucian Self be strong enough to exercise the positive liberty in the authoritarian society? in Thomas Bustamante and Oche Onazi eds., Rights, Language and Law(ARSP-Beihefte, volume 131)(Franz Steiner Verlag, March 2012)他多数。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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