- ジョナサン・フェンビー
- 河内 隆弥
- 四六上製 376ページ
ISBN-13: 9784865781618
刊行日: 2018/03
ビッグスリーが繰り広げる虚々実々の駆け引き!!
積み重ねられる詳細(ディテール)――
「スターリンは寡黙だったが、
ルーズベルトは始終とりとめなく話し、
チャーチルは際限なく喋った」
目次
謝辞
〈プロローグ〉テヘランの晩餐
1943年11月29日
1 バッファロー、熊、そしてドンキー
2 第1回のサミット
ニューファンドランド、プラセンシア湾 1941年8月9―12日
3 アンクル・ジョー
モスクワ 1941年9月
4 世界大戦
ワシントン、チェカーズ、モスクワ、重慶、ローマ、ベルリン 1941年12月6―12日
5 4人の交渉
モスクワ、ワシントン、ロンドン 1941年12月9日―1942年1月14日
6 結論未定
ロンドン、ワシントン 1942年1―4月
7 人民委員の訪問
モスクワ、ロンドン、ワシントン 1942年5―6月
8 たいまつの歌
ハイドパーク、重慶、ワシントン、ロンドン 1942年6―7月
9 モスクワの夜は更けて
モスクワ 1942年8月
10 時の過ぎ行くままに
北アフリカ、モスクワ、カサブランカ 1942年10月―1943年1月
11 嵐
ワシントン、モスクワ、ロンドン、ハイドパーク、ケベック 1943年1―8月
12 ロシア序曲
モスクワ 1943年10月
原?注
関連年表
関連情報
1941年12月6日の夜、ルーズベルトは、オーヴァル・オフィス〔大統領執務室〕でハリー・ホプキンスとおしゃべりしながら、趣味の切手収集の作業をしていた。1人の海軍士官が、ワシントンの日本大使館へ東京から打電された、長い電文を傍受した最初の13の部分の翻訳を持って飛び込んで来た。14番目と最後の部分はまだ解読されていなかった。
「これは戦争だね」、目を通してルーズベルトは言い、電信をホプキンスに手渡した。日本が半世紀前に植民地にした台湾の南沖を、5個師団の日本軍が航行していた。軍団はタイとマレーを攻撃できる位置にいた。「誰も[それを]知らないが、日本と戦争になるな」大統領は続けて言った。
ホプキンスは、アメリカが先制攻撃できない位置にいたことを残念がった。
「いや、それはやっちゃいけないんだ」、と大統領は言った。「われわれは民主主義で平和愛好の国民なんだ」。
そして、声を少し高めて補足した。「しかし良いことが起こったね」。
(4「世界大戦」)
「これは戦争だね」、目を通してルーズベルトは言い、電信をホプキンスに手渡した。日本が半世紀前に植民地にした台湾の南沖を、5個師団の日本軍が航行していた。軍団はタイとマレーを攻撃できる位置にいた。「誰も[それを]知らないが、日本と戦争になるな」大統領は続けて言った。
ホプキンスは、アメリカが先制攻撃できない位置にいたことを残念がった。
「いや、それはやっちゃいけないんだ」、と大統領は言った。「われわれは民主主義で平和愛好の国民なんだ」。
そして、声を少し高めて補足した。「しかし良いことが起こったね」。
(4「世界大戦」)