- 〈編集主幹〉黒田杏子 〈編集長〉筑紫磐井 〈名誉顧問〉金子兜太
- 〈編集顧問〉瀬戸内寂聴 ドナルド・キーン 芳賀徹 藤原作弥
- 〈編集委員〉井口時男/坂本宮尾/橋本榮治/横澤放川/藤原良雄
- A5並製 200ページ・カラー口絵8頁
ISBN-13: 9784865782400
刊行日: 2019/09
「平和」への意志を共有した、二人の巨人の交友と軌跡
本誌創刊以来、「編集顧問」を務めていただいたドナルド・キーンさんが、去る2月24日に96歳で他界された。
日本文学研究者として圧倒的な仕事を遺され、芭蕉や俳句を論じ、翻訳にとどまらず、ご自身も俳句を詠まれた。
今号では、過酷な戦争体験を共有する同志として平和への道を求め続けられたキーンさんと兜太さんの交流を辿り直す。さらにお二人の巨きな足跡を通して、俳句を世界に開いていくための手がかりを考えてみたい。
●特集 キーンと兜太――俳句の国際性
〈わたしのキーン、わたしの兜太〉
キーン誠己 父ドナルド・キーンと金子兜太
いせひでこ 兜太幻想
ジャニーン・バイチマン 恩師が教え子に許可を求めた日
福島泰樹 霧の夜のわが身に近く馬歩む
古川日出男 死者にはならなかった者の膂力
細谷亮太 キーンさんの読書指導
吉田眞理 さり気ない優しさの連鎖の中で
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金子兜太+ドナルド・キーン+キーン誠己 〈鼎談〉詩の魂にみちびかれて
ドナルド・キーン 〈講演〉俳句と芭蕉
ドナルド・キーン 私の日米戦争
キーンさんの訳した「平和の俳句」
黒田杏子 ドナルド・キーン先生は永遠です
橋本榮治 『ドナルド・キーンのオペラへようこそ!』――思い巡らす読後
木内徹+董振華+堀田季何 司会=木村聡雄
〈フォーラム〉兜太俳句と外国語
坂本宮尾 俳句の翻訳――ことばで異なる文化に橋を架ける
●金子兜太一周忌
嵐山光三郎+黒田杏子+下重暁子+河邑厚徳
〈座談会〉金子兜太さんの遺したもの――映画「天地悠々 兜太・俳句の一本道」完成記念
●金子兜太氏 生インタビュー(3)――中村草田男のこと ほか
〈聞き手〉横澤放川/黒田杏子 ほか 筑紫磐井 編
藤原作弥 日銀マン・金子兜太
●小特集 「海程」創刊と兜太
筑紫磐井編 「海程」創刊を日記が語る――『金子兜太戦後俳句日記』を読む
酒井弘司 「海程」創刊のころ
関 悦史 死せる兜太生けるわれわれをなお賦活す――〈書評〉『金子兜太戦後俳句日記 第一巻』
●連載
井口時男 還相の兜太――前衛・兜太(3)
横澤放川 男川や女川――金沢紀行(2)
〈本文カット〉中原道夫