「ハイテク専制」国家・中国――内側からの警告

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  • 王力雄+王柯 著
  • 四六変並製 248頁
    ISBN-13: 9784865783483
    刊行日: 2022/6

ディストピアSF『セレモニー』に限りなく接近しつつある中国の「今」を激論した往復書簡

国民1人当り2台近い大量の監視カメラ、メディアおよびネットの統制、警察権力の濫用にもとづく言論・行動の支配の数々、そして、民族主義の扇動による「戦狼外交」と少数民族弾圧――


目次

日本の読者の皆様へ(王力雄)
序(王柯)
王力雄『セレモニー』あらすじ

1 作家・王力雄と『セレモニー』
  『セレモニー』と現実が重なった(王柯)
  専制主義とテクノロジーの最悪の結合(王力雄)
2 「ハイテク専制」――デジタル全体主義の実像
  「ハイテク専制」は従来の専制と何が違うのか(王柯)
  ハイテク専制は時空間の限界を超えた(王力雄)
3 完全監視社会――私企業からも情報管理
  政府による「全面的監視」はいかにして可能か(王柯)
  果てしなく拡大する監視のテクノロジー(王力雄)
4 警察の腐敗――「共産党の犬」と公然と自認
  公権力は誰のためのものか(王柯)
  警察は「政権の犬」(王力雄)
5 「人治」の蔓延――特権階級の既得権益と「法治」の喪失
  中国における「法」とは何か(王柯)
 「人治」の蔓延する中国社会(王力雄)
6 言論統制――情報遮断と暴力による弾圧
  既存メディア・セルフメディアへの統制(王柯)
  外部情報は遮断し、内部情報は統制する(王力雄)
7 すり替えられた民族主義――扇動される愛国主義
  中国の「民族主義」はどこへ向かうのか(王柯)
  民族主義は国民統合の最後の手段(王力雄)
8 戦狼外交――公然たる覇権主義
  ロシアのウクライナ侵略と中国の外交(王柯)
  覇権主義の表面化は必然だった(王力雄)
9 少数民族差別――内に向けられた民族主義の刃
  「中華民族」概念と少数民族差別(王柯)
  民族対立の扇動は禍根を残す(王力雄)

結び――「一党独裁ならば、至る所災いだらけ」(王柯)

関連情報

今日の中共政権が目指している目標の核心は、全国を一致させ、一つの声を聞き入れさせ、一つの意思に従わせ、一人の指導者を崇拝させ、最高指導者のわがままをひたすら実行させることです。
このような中国は、最終的にはますます世界から離れ、ますます革新力を失い、かつて改革開放時代に形成され蓄積された自由な精神、革新の活力と社会的富がますます消耗され、最後には取り返しのつかない衰退に向かうに違いありません。
――王力雄(本文より)

著者紹介

●王力雄(おう・りきゆう/Wang Lixiong)
1953年中国・長春市生まれ。作家、民族問題研究者。1978年、文革後最初の民主化運動「民主の壁」に参加、94年には中国最初の環境NGO「自然之友」を創設。
2002年当代漢語研究所より「当代漢語貢献賞」、同年独立中文ペンクラブより第1回「創作自由賞」、2003年ヒューマン・ライツ・ウォッチより「ヘルマン・ハメット賞(助成金)」、2009年チベットのための国際委員会より「真理の光賞」、等を受賞。
著書に、「現状を予見したかのような恐るべき小説」と評され大反響を得た『セレモニー』(金谷譲訳、藤原書店、2019)の他、『漂流』(1988)、『天葬――西藏的命運』(1998)、『溶解権力――逐層逓選制』(1998)、『與達喇嘛對話〔ダライ・ラマとの対話〕』(2002)、『逓進民主』(2006)、『権民一体論――逓進自組織社会』(2016)『転世』(2020)など多数、邦訳された著作に『黄禍』(1991。邦訳集広舎、2015)、『我的西域、你的東土』(2007。邦訳『私の西域、君の東トルキスタン』集広舎、2011)など。『黄禍』は1999年『亜洲週刊』誌(香港)「20世紀に最も影響を与えた中国語小説100選」の41位に選ばれた。

●王柯(おう・か)
1956年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。神戸大学大学院国際文化学研究科教授を経て、2021年同大学客員教授・名誉教授。歴史学。
著書に『東トルキスタン共和国研究』(東京大学出版会、1995、第18回サントリー学芸賞)、『民族与国家』(中国社会科学出版社、2001)、『多民族国家中国』(岩波新書、2005)、『20世紀中国の国家建設と「民族」』(東京大学出版会、2006)、『民族と国家』(韓国語、韓国東北アジア歴史財団、2007)、『辛亥革命と日本』(編著、藤原書店、2011)、『近代日中関係の旋回――「民族国家」の軛を超えて』(藤原書店、2015)、『消失的「國民」――近代中國的「民族」話語与少數民族的國家認同』(香港中文大學出版社、2016)、『中國、從「天下」到民族國家(訂版)』(台湾・政大出版社、2017)、The East Turkestan Independence Movement 1930-1940 (The Chinese University Press, Hongkong, 2018)、『亦師亦友亦敵――民族主義與近代中日關係』(香港中文大學出版社、2019)など。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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