核分裂・毒物テルルの発見――原爆/核実験/原発被害者たちの証言から

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  • 山田國廣 著
  • 協力=本間都
  • A5並製 モノクロ288頁/カラー120頁
    ISBN-13: 9784865783759
    刊行日: 2023/2

化学物質“テルル”と“内部被ばく”で明かす
原水爆・原発被害の真実!

◎「目に見えない」「においもしない」とされてきた核の被害。実は数々の証言から、広島・長崎でも、ビキニ等の核実験場でも、チェルノブイリ等の原発事故でも、そしてトモダチ作戦で活躍した空母〈ロナルド・レーガン〉号をはじめ福島第一原発事故でも、五感で感知されていた毒物「テルル」が主たる犯人だった!
◎外部被ばく線量のみならず、放射能およびテルルの“内部被ばく”が問題だった!
◎環境問題と取り組み続けてきた著者だからこそ見抜いた、核被害の核心!!


目次

はじめに

序 章 空母〈ロナルド・レーガン〉の悲劇【2011年3月】
 1 トモダチ作戦に参加した原子力空母〈ロナルド・レーガン〉
 2 〈ロナルド・レーガン〉乗組員に何が起こったか
 3 〈ロナルド・レーガン〉は、確かに被ばくした!

第1章 毒物テルルとは?
 1 「テルル」とはどんな化学物質?――金属味、ニンニク臭、青い色、皮膚刺激のある化学物質
 2 動物実験から毒性を知る
 3 原発の中に溜まっていたテルル

第2章 ヒロシマ・ナガサキ――検証・原子爆弾【1945年】
 1 ヒロシマへの原爆投下
 2 「ピカドン・モデル(青い閃光と、爆風による建物破壊)」と住民証言
 3 「原爆症」
 4 ナガサキへの原爆投下
 5 広島・長崎の医師たちの所見――『マンハッタン報告書』から

第3章 核実験の被ばくを検証――マーシャル諸島、セミパラチンスクほか
 1 ビキニ環礁でのアメリカ水爆実験――〈第五福竜丸〉事件
 2 マーシャル諸島の住民たちの被害
 3 セミパラチンスク核実験場(カザフスタン)のその後
 4 どんな地で原爆実験が行なわれたか

第4章 「黒い雨」の恐怖
 1 原爆の「黒い雨」、原発事故の「白い雨」
 2 「黒い雨」裁判――被爆から76年
 3 黒い雨による内部被ばくを警告した「オークリッジ・レポート」
 4 「黒い雨」に被ばくした人、しなかった人の比較調査
 5 広島に降った「黒い雨」の地点と放射線量
 6 広島原爆「黒い雨」訴訟原告の証言から
 7 「黒い雨」訴訟から考える
 8 各地のホットスポットの測定値からわかること
 9 大地、水、植物の汚染と、私たち人間

第5章 原発事故の被ばく例を検証――スリーマイル島(1979年)、チェルノブイリ(1986年)
 1 世界の主な原発事故
 2 スリーマイル島原発事故――アメリカ、1979年
 3 チェルノブイリ原発事故――ソ連、1986年
 4 チェルノブイリ事故と、空母〈ロナルド・レーガン〉
 5 事故からわかったこと

第6章 福島第一原発事故とその教訓【2011年】
 1 事故の経過
 2 通報と避難
 3 避難の実際――プルームは避けられるのか
 4 避難計画の問題点
 5 どのように備えるか?

第7章 福島第一原発事故、被ばく者たちの証言
 飯舘村――赤錆色の霧、皮膚のビリビリ、脳梗塞など
 浪江町――金属の臭い、甲状腺がんなど
 郡山市――鼻血、喉のかすれなど
 双葉郡――娘の流産
 福島市――著しい体調変化
 列島各地からの声

第8章 福島第一原発事故の後に多発する病気――東日本12都県
 1 疾病は、明らかに増加している
 2 テルルによる“難病”の増加――DPCデータから読み取れること
 〈補〉核分裂によるテルルの被害は、隠されてきた

むすび――“核分裂”がもたらした大災害

謝 辞

関連情報

《五感で感知できるテルルの特性》
【視覚】空気中で酸化され二酸化テルルとなると、発熱して“青い炎”を出す
【嗅覚】体内に入ると還元され、ジメチルテルル等になり、ニンニク臭、血の匂い、腐敗臭として感知される
【味覚】テルル化合物を吸引・経口摂取すると金属味(鉄の味、鉛の味など)を感知する
【触覚】皮膚、目、喉、目に「チクチクする痛み」「むずがゆい感覚」が生じる
【温覚】空気中で酸化されると発熱するので、プルームに入ると温かく感じる。皮膚刺激性があり、プルームに入ると急激な日焼け状態になり、皮膚炎を生じる。

著者紹介

●山田國廣(やまだ・くにひろ)
1943年大阪生。京都工芸繊維大学工芸学部大学院修了。1969年より大阪大学工学部助手。1990年より大阪大学を辞職して循環科学研究室主宰。1997年より京都精華大学人文学部教授。エントロピー学会世話人。工学博士。1970年頃から瀬戸内海や琵琶湖の水環境汚染の調査研究を始める。1980年代前半から水道水中のトリハロメタン問題や地下水汚染に取り組み、後半からはリゾート開発としてのゴルフ場乱造成に対し、里山を守る活動として『ゴルフ場亡国論』(編著)を出版する。以後、環境問題を総合的に把握し解決する環境学の立場から研究活動を続ける。
著書に『シリーズ・21世紀の環境読本』『下水道革命』(石井勲との共著)『環境革命Ⅰ〔入門篇〕』『1億人の環境家計簿』『放射能除染の原理とマニュアル』『除染は、できる。』(以上、藤原書店)『フロンガスが地球を破壊する』(岩波ブックレット)他。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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