- アンドレ・グンダー・フランク 著
- 山下範久 訳
- 新版序=山下範久
- A5並製 656頁
ISBN-13: 9784865784442
刊行日: 2024/12
世界経済の“重心”は近世以前から「アジア」にあった――待望の新版刊行!
資本主義の西欧起源論を批判し、近世以前からの世界経済の一体性と、その中での「アジア」の重要性を強調、「グローバル・ヒストリー」に強力な刺激を与え、現代経済における中国やアジア諸国の勃興にも新たな視座をもたらした名著。
目次
〈新版によせて〉四半世紀後の『リオリエント』 山下範久
日本語版への序文
まえがき
第1章 現実の世界史とヨーロッパ中心的社会理論の対決に向けて
第2章 グローバルな交易の回転木馬、1400-1800年
第3章 貨幣が世界をめぐり、そして世界をまわす
第4章 グローバル・エコノミー――比較および諸関係
第5章 横に統合されたマクロ歴史
第6章 なぜ西洋は(一時的に)勝ったのか
第7章 歴史記述上の結論と理論的含意
訳者あとがき
参考文献一覧
地名索引/人名索引
日本語版への序文
まえがき
第1章 現実の世界史とヨーロッパ中心的社会理論の対決に向けて
第2章 グローバルな交易の回転木馬、1400-1800年
第3章 貨幣が世界をめぐり、そして世界をまわす
第4章 グローバル・エコノミー――比較および諸関係
第5章 横に統合されたマクロ歴史
第6章 なぜ西洋は(一時的に)勝ったのか
第7章 歴史記述上の結論と理論的含意
訳者あとがき
参考文献一覧
地名索引/人名索引
関連情報
16世紀以前ではアジアこそが世界経済システムの標準であって、それをオランダやイギリスが切り崩していくことで今日の経済文明の基盤にあたるものを“盗作”したところがあると説いた……のみならず、今後の21世紀世界は、かつてのアジアン・パワーの復活ないしは再編成によって「リオリエント化」するのではないかと見通した。
(松岡正剛氏 2019/12/9『産経エクスプレス』)
フランクの議論は、これまで日本人の学者でさえ自明にしていた用語法を再考させる点でも有益であろう。たとえば、「資本主義の誕生」や「西洋の勃興」や「ヨーロッパ世界経済へのアジアの組み込み」といった常套句はもとより、「合理主義」や「文明化の使命」などもヨーロッパ中心主義のミスリーディングな概念になりかねない。
(山内昌之氏 2000/11/5『日本経済新聞』)
知の刷新とアジア回帰を目指す本書は、21世紀を予測し構想しようとする「予言」の書でもある。21世紀の人類社会の見通しと評価の基準をめぐって様々なシナリオが確執する現在にあって、超世界史的視点からの総合性が必要であるとする指摘は重要だ。刺激に満ちた本書は新たな世界史としての地域史ともいえるアジア論を一層促進する役割を果たすであろう。
(浜下武志氏 2000/9/3『日本経済新聞』)
(松岡正剛氏 2019/12/9『産経エクスプレス』)
フランクの議論は、これまで日本人の学者でさえ自明にしていた用語法を再考させる点でも有益であろう。たとえば、「資本主義の誕生」や「西洋の勃興」や「ヨーロッパ世界経済へのアジアの組み込み」といった常套句はもとより、「合理主義」や「文明化の使命」などもヨーロッパ中心主義のミスリーディングな概念になりかねない。
(山内昌之氏 2000/11/5『日本経済新聞』)
知の刷新とアジア回帰を目指す本書は、21世紀を予測し構想しようとする「予言」の書でもある。21世紀の人類社会の見通しと評価の基準をめぐって様々なシナリオが確執する現在にあって、超世界史的視点からの総合性が必要であるとする指摘は重要だ。刺激に満ちた本書は新たな世界史としての地域史ともいえるアジア論を一層促進する役割を果たすであろう。
(浜下武志氏 2000/9/3『日本経済新聞』)
著者紹介
●アンドレ・グンダー・フランク(Andre Gunder Frank)
1929-2005年。経済史家・社会学者。アムステルダム大学名誉教授。
ベルリンに生まれる。幼少時、家族がナチスの迫害を逃れてスイス、アメリカへと移住。1957年、シカゴ大学にて経済学博士号を取得。62年にはラテンアメリカに渡り、チリ大学教授時代にはアジェンデ政権の社会主義改革にも関与した。同政権がクーデタで倒れたのちヨーロッパに移り、以後70~80年代、ラテンアメリカをフィールドにした新マルクス主義的な従属論の論客として名を馳せる。90年代に入って5000年周期の地球全体を覆う世界システム論を提唱し、B・K・ギルズとの共著The World System: Five Hundred Years or Five Thousand(1993)を発表。98年には後期の代表作となる本書『リオリエント』を発表し、ウォーラーステイン理論の「西洋中心主義」を批判するなど、話題を呼んだ。他の著書に『世界資本主義と低開発』(大村書店、1979)『従属的蓄積と低開発』(岩波書店、1980)『世界経済危機の構造』(TBSブリタニカ、1982)など多数。
【訳者紹介】
●山下範久(やました・のりひさ)
1971年大阪府生。ビンガムトン大学社会学部大学院にてウォーラーステインに師事、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学 。北海道大学大学院文学研究科助教授を経て、現在、立命館大学グローバル教養学部教授。専攻は、歴史社会学、社会理論、世界システム論。
著書に『世界システム論で読む日本』(講談社選書メチエ、2003)『現代帝国論』(NHKブックス、2008)『教養としてのワインの世界史』(ちくま文庫、2018)、編著に『帝国論』(講談社選書メチエ、2006)『教養としての世界史の学び方』(東洋経済新報社、2019)、訳書にウォーラーステイン『新しい学』(2001)『時代の転換点に立つ』(2002)『世界を読み解く2002-3』(2003)『イラクの未来』『脱商品化の時代』(2004)『入門・世界システム分析』(2006)『知の不確実性』(監・共訳2015)、ミラン『資本主義の起源と「西洋の勃興」』(2011、以上藤原書店)、ウォーラーステイン『ヨーロッパ的普遍主義』(明石書店、2008)、ムーア『生命の網のなかの資本主義』(監・共訳、東洋経済新報社、2021)など。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです
1929-2005年。経済史家・社会学者。アムステルダム大学名誉教授。
ベルリンに生まれる。幼少時、家族がナチスの迫害を逃れてスイス、アメリカへと移住。1957年、シカゴ大学にて経済学博士号を取得。62年にはラテンアメリカに渡り、チリ大学教授時代にはアジェンデ政権の社会主義改革にも関与した。同政権がクーデタで倒れたのちヨーロッパに移り、以後70~80年代、ラテンアメリカをフィールドにした新マルクス主義的な従属論の論客として名を馳せる。90年代に入って5000年周期の地球全体を覆う世界システム論を提唱し、B・K・ギルズとの共著The World System: Five Hundred Years or Five Thousand(1993)を発表。98年には後期の代表作となる本書『リオリエント』を発表し、ウォーラーステイン理論の「西洋中心主義」を批判するなど、話題を呼んだ。他の著書に『世界資本主義と低開発』(大村書店、1979)『従属的蓄積と低開発』(岩波書店、1980)『世界経済危機の構造』(TBSブリタニカ、1982)など多数。
【訳者紹介】
●山下範久(やました・のりひさ)
1971年大阪府生。ビンガムトン大学社会学部大学院にてウォーラーステインに師事、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学 。北海道大学大学院文学研究科助教授を経て、現在、立命館大学グローバル教養学部教授。専攻は、歴史社会学、社会理論、世界システム論。
著書に『世界システム論で読む日本』(講談社選書メチエ、2003)『現代帝国論』(NHKブックス、2008)『教養としてのワインの世界史』(ちくま文庫、2018)、編著に『帝国論』(講談社選書メチエ、2006)『教養としての世界史の学び方』(東洋経済新報社、2019)、訳書にウォーラーステイン『新しい学』(2001)『時代の転換点に立つ』(2002)『世界を読み解く2002-3』(2003)『イラクの未来』『脱商品化の時代』(2004)『入門・世界システム分析』(2006)『知の不確実性』(監・共訳2015)、ミラン『資本主義の起源と「西洋の勃興」』(2011、以上藤原書店)、ウォーラーステイン『ヨーロッパ的普遍主義』(明石書店、2008)、ムーア『生命の網のなかの資本主義』(監・共訳、東洋経済新報社、2021)など。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです