台湾の歴史 大全――基礎から研究へのレファレンス

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  • 春山明哲・松田康博・松金公正・川上桃子 編
  • A5上製 464頁
    ISBN-13: 9784865784466
    刊行日: 2025/2

先史時代から現代まで、多領域の執筆者が結集して編んだ、台湾の歴史の基本文献!

オランダ、清朝、日本、アメリカ、中国など諸勢力の狭間を生きてきた台湾という空間の、先史時代から現代に至る歴史を、通史と事典的記述を両輪に、65名の気鋭の執筆陣が描く。
歴史・地域研究の入門書として、更に深い知識へと導くレファレンスとして、読者必携の一冊!


目次

はじめに


本書の構成と内容のガイド
歴史上の地図に描かれてきた台湾/現在の台湾地図

Ⅰ 台湾史概説
 1 総説 (春山明哲)
 2 17~19世紀 (春山明哲)
 3 政治・経済史 1868~1945年 (春山明哲)
 4 社会・文化史 Ⅰ 1850~1945年 (松金公正)
 5 政治史 1945~2024年 (松田康博)
 6 経済史 1945~2024年 (川上桃子)
 7 社会・文化史 Ⅱ 1945~2024年 (松金公正)

Ⅱ 台湾史事典(全179項目)

Ⅲ 文献レファレンスと研究レビュー
 1 先史時代・考古学・台湾の先住集団 (野林厚志)
 2 オランダ統治時代・鄭氏時代 (久礼克季)
 3 清代台湾 (張士陽)
 4 近代日本・台湾関係史(1874~1895~1945) (春山明哲)
 5 政治史・外交(対外関係)史、国際関係(1943~2024年) (松本充豊)
 6 経済史・産業史 (湊照宏・川上桃子)
 7 社会史 (菅野敦志・松金公正)
 8 文学史 (大東和重)
 9 文化史 (三澤真美恵)
 10 女性史・ジェンダー史 (野村鮎子)

Ⅳ 台湾史研究の思想と方法
 1 学際研究としての台湾史 (上水流久彦・西村一之)
 2 台湾原住民族研究史 (宮岡真央子)
 3 台湾における台湾史研究 (何義麟・冨田哲)
 4 伊能嘉矩から矢内原忠雄まで――「知の媒介者」としての後藤新平 (春山明哲)
 5 台湾史研究と地域研究――若林正丈の方法 (家永真幸)
 6 「帝国史」研究の課題――台湾史研究と朝鮮史研究の「相互参照」を中心として (松田利彦)
〈論考〉 台湾研究のメタヒストリー――地域研究としての台湾と日本 (梅森直之)

Ⅴ 研究ガイド
 1 研究組織・研究機関・海外 (山崎直也)
 2 図書館・アーカイブにおける近現代台湾関係資料――国立国会図書館憲政資料室を中心に (堀内寛雄)

資料編
 1 台湾史ライブラリー
 2 台湾史・日台関係史 基本年表

総合索引
あとがき――「レファレンス・ブック」とはなにか? 本書刊行までの歩み
著者紹介/編者紹介


【執筆者(五十音順)】
家永真幸/五十嵐隆幸/伊藤信悟/梅森直之/大東和重/何義麟/笠原政治/上水流久彦/川上桃子/川島真/北波道子/久保文克/久礼克季/黒羽夏彦/古泉達矢/黄偉修/駒込武/蔡龍保/佐藤幸人/柴田幹夫/清水麗/清水美里/下村作次郎/菅野敦志/鈴木恵可/鈴木賢/鈴木哲造/胎中千鶴/田上智宜/田畠真弓/垂水千恵/張士陽/冨田哲/西村一之/野林厚志/野村鮎子/羽根次郎/春山明哲/東山京子/檜山幸夫/平井新/深串徹/福田円/福永玄弥/星純子/堀内寛雄/前原志保/松岡格/松金公正/松田利彦/松田康博/松永正義/松本はる香/松本充豊/三尾裕子/三澤真美恵/湊照宏/宮岡真央子/門間理良/谷ヶ城秀吉/山崎直也/やまだあつし/山本和行/山本真/若林正丈

関連情報

台湾が、日本のみならず世界の強い関心を集めている。民主主義の実践、ハイテク産業の競争力、移行期正義やマイノリティの権利擁護の取り組み、文学や映画、芸術の魅力、中国との複雑な関係など、台湾の「いま」に興味をひかれる理由は様々だろう。しかし、ひとたび台湾に関心を抱き、その「いま」について学び始めれば、即座に「台湾とはなにか」という問いに直面せざるをえない。

こんにちの台湾は、国際社会の一員として、また日本の隣人として、確固とした存在感を放っている。しかし、国際社会における台湾の存在は決して自明ではない。中国とのあいだには、矛盾と困難に満ちた強い緊張関係が存在し、台湾社会のなかでもナショナル・アイデンティティをめぐる葛藤と分断がある。台湾は、どこから来て、どこに向かうのか。そもそも台湾とはいったい何なのか――。

本書では、実証的な学術研究を基盤として、台湾の歴史に関する基礎知識を総合的・系統的に提供することを通じて、この問いへの補助線を提示する。インターネット上には、台湾に関する情報があふれている。しかし、そうした知識は往々にして断片的であり、ときに不正確でもある。私たちは、地域研究としての台湾研究の成果をもとに、学生・社会人のための教養書として、ビジネス・メディア関係者に有益な参考書として、また市民学習のハンドブック、歴史研究・地域研究の入門書として活用できるレファレンス・ブックとして、本書を編んだ。執筆者は、日本および台湾で台湾研究を行う65人の専門家たちである。 (本書「序」より)

編者紹介

●春山明哲(はるやま・めいてつ) 〈代表〉
1946年生。早稲田大学台湾研究所招聘研究員。日本台湾学会名誉理事長。専攻:日本台湾関係史。主な著作に『近代日本と台湾――霧社事件・植民地統治政策の研究』(藤原書店、2008)、「法学者・岡松参太郎の台湾経験と知の射程――植民地統治と『法の継受』をめぐって」(松田利彦編『植民地帝国日本における知と権力』思文閣、2019)ほか。

●松田康博(まつだ・やすひろ)
1965年生。東京大学東洋文化研究所教授。専攻:アジア政治外交史。主な著作に『台湾における一党独裁体制の成立』(慶應義塾大学出版会、2006、日本貿易振興機構アジア経済研究所2007年度発展途上国研究奨励賞受賞、第2回樫山純三賞受賞)、『現代台湾の政治経済と中台関係』(清水麗と共編著、晃洋書房、2018)ほか。

●松金公正(まつかね・きみまさ)
1967年生。宇都宮大学理事・副学長・教授。専攻:台湾宗教社会史。主な著作に『現代アジア事典』(共編著、長谷川啓之監修、文眞堂、2009、第5回樫山純三賞受賞)、「植民地台湾における日本仏教に関する研究の回顧と展望」(『近代仏教』21、2014)、「『廟』の中に『寺』を、『寺』の中に『廟』を――『古義真言宗台湾開教計画案』の背景にあるもの」(『アジア遊学』222、2018)ほか。

●川上桃子(かわかみ・ももこ)
1968年生。神奈川大学経済学部教授。専攻:台湾を中心とする東アジアの産業・企業研究。主な著作に『圧縮された産業発展――台湾ノートパソコン企業の成長メカニズム』(名古屋大学出版会、2012。第29回大平正芳記念賞受賞)、『中台関係のダイナミズムと台湾――馬英九政権期の展開』(松本はる香と共編、アジア経済研究所、2019)ほか。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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