音の風景

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  • アラン・コルバン
  • 小倉孝誠 訳
  • A5上製 464ページ
    ISBN-13: 9784894340756
    刊行日: 1997/9

音と人間社会の歴史

鐘の音が形づくる聴覚空間と共同体のアイデンティティーを描く、初の音と人間社会の歴史。十九世紀の一万件にものぼる「鐘をめぐる事件」の史料から、今や失われてしまった感性の文化を見事に浮き彫りにした大作。


目次

日本語版への序文

非現代的なものの探究


一 音のアイデンティティーの擁護

第1章 感性の文化を変えることの不可能性

音のネットワークの密度
交換の時代
感覚の支配力の弱体化
空間と時間の世俗化
反対派の勝利

第2章 「鐘の略奪者」

町の自尊心
市町村どうしの鐘楼をめぐる争い
鐘の取り外しとアイデンティティーの混乱
敵愾心、 憎悪、 怨根の入れ子構造


二 お国びいきの心性

第1章 共同体の鐘

アイデンティティーを示す象徴
村における鐘の鋳造

第2章 農民の聴覚の指標

鐘、空間、地域
中心と境界 / 天使の道
交錯した生活リズム
時間の正確さと感覚的印象 / 典礼年の区切り / 儀式の時間 / 音が織りなす日々
社会的差異の露呈
鐘を読む / 誇りの鐘

第3章 真実の厚み

情報のアンシャン・レジーム
音の戸籍簿 / 「役場の説教」
集合命令
警報の普及
喜びの鐘の管理


三 鐘を鳴らす力

第1章 地方的紛争の争点

侮辱されることへの恐れ
地域の象徴的統合

第2章 音のメッセージの統制

時計の鐘、 時計装置、 時計
鐘つき人の誇り
鐘、 扉、 網をめぐる事件

第3章 主要な 「衝突」

「鐘なしの」 埋葬
国家的な鐘


歴史の対位法

推論された感性から公言された感性へ

ロマン主義時代の鐘
鐘に関する探索と鐘の象徴体系
音にたいする不寛容と眠る権利


原 注

付 図 時代ごとの鐘の鋳造数
    世俗の鐘の分布図
    史料一覧
    訳者あとがき

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