- 葉月奈津・若林尚司
- 四六上製 272ページ
ISBN-13: 9784894341067
刊行日: 1998/7
日本人になりたかった男
ともに日本で暮らすことを夢みながら、世界大戦によりその夢を阻まれるアーサーとまさ。強いられた別離の中で頻りに交される手紙だけが二人の絆をつなぐ。──柳行李から偶然に見つかったアーサーの日本語の手紙が証す、二つの世界戦争と「家族」の悲劇。
目次
はじめに
第I部 出会い 1902 - 1911
絆の芽生え
日露戦争
イギリス帰国、 長男清の誕生
香港での再会
揺れる心
第II部 動 乱 1911 - 1919
アイルランドの日本庭園
動乱の兆し、 ビルマにて
第一次世界大戦
塹壕戦の悲劇、 両足喪失
ルーアン陸軍将校病院
日本帰化への夢断絶
第III部 分 断 1919 - 1965
1997年春、 彼岸の供養
母子の絆
清、 陸上界の彗星
幼なじみの哲子と再会
清のパリ留学、 そして父子の再会
清、 哲子と結婚
太平洋戦争勃発
アーサーの死、 清の死
まさの死
年譜 1870 - 1965
ハート=シノット家・鈴木家・勝田家系図
あとがき