- 川上 勉
- 四六上製 312ページ
ISBN-13: 9784894342668
刊行日: 2001/12
知られざるもうひとつのフランス
“自由・平等・友愛”の共和国を否定して、“労働・家族・祖国”のスローガンを掲げた、知られざるもうひとつのフランス=第二次大戦下ヴィシー時代のフランス・イデオロギーに迫り、フランス像を問い直す初成果。
目次
はじめに
序 章 いま、 なぜヴィシーか
第1章 「国民革命」 をめぐる言説
1 「国民革命」 の伝統
1 ジョルジュ・ヴァロワの 『国民革命』
2 ピエール・テタンジェの新聞 『ル・ナシオナル』
2 ペタン元帥の 「国民革命」 をめぐる言説
1 高揚期 (1940年6月~1941年12月)
2 後退期 (1942年1月~1944年8月)
3 『活力あるフランス叢書』
1 「労働憲章」
2 「家族革命」 と 「国民革命」
第2章 同時代の知識人の言説
1 アンリ・マシス、 ヴィシー政府のイデオローグ
1 アンリ・マシスの現在
2 『西欧の擁護のための宣言』 (1935年)
3 大戦下のマシス
4 『思想は残る』
2 ティエリ・モニエ、 「国民革命」 から 「未来の体制」 へ
1 1930年代のノン=コンフォルミスト
2 ティエリ・モニエと 『国民革命論』
3 新しい人間関係のシステム
4 「国民革命」 あるいは 「未来の体制」?
3 ジャック・ドリヨとペタン元帥
1 ジャック・ドリヨと 「国民革命」
2 新しい秩序の原理
3 ドリヨの 『レアリテ』 (1942年)
第3章 「国民革命」 論の系譜
1 ヴィシーの記憶
2 1960年代までの 「国民革命」 論
1 「国民革命」 と 「対独協力」
2 『幻想の時代』 (デュ・ムーラン・ド・ラバルテート)
3 『ヴィシーの歴史』 (ロベール・アロン)
3 1970年代以降の 「国民革命」 論
1 「国民革命」 のアルカイスム (アンリ・ミシェル)
2 「下から見たヴィシー」 (イヴ・デュラン)
3 「国民革命」 はファシズムか? (ロバート・パクストン)
第4章 知識人とアイデンティティの相克
1 「奇妙な敗北」 とナショナル・アイデンティティの危機
2 ヴィシー政府とナショナル・アイデンティティ
3 リオム裁判 (1942年2月19日~4月15日)
エピローグ
注
参考文献
「国民革命」関連年表(1931~1985)
あとがき
人名索引