- 菊大並製 376ページ
ISBN-13: 9784894343153
刊行日: 2002/12
ヨーロッパをあらゆる角度から捉え直す
近代世界に覇を揮い破壊と侵略の限りを尽くすと同時に、その「文明」が羨望を集めてきた「ヨーロッパ」。その限界と隠された多様性に迫る!
目次
〈インタビュー〉
一哲学者が語るヨーロッパ
【ルター、ヘルダーリン、ハイデガー、そしてマルクス】
・フランス最高の知性が初めて語った「ヨーロッパ」というの問題の最深部!古代ギリシアから“アウシュヴィッツ”に至る、ヨーロッパの起源と歴史、そしてその本質を初めて語る。
Ph・ラクー・ラバルト (聞き手・訳・解題=浅利誠)
──ヨーロッパの限界と多様性
〈インタビュー〉多様性としてのヨーロッパ
・一貫したシステムとしてのヨーロッパなど存在しない──家族構造研究からヨーロッパ像を刷新したトッドの最新インタビュー!
E・トッド(聞き手=I・フランドロワ/訳・解題=石崎晴己)
ヨーロッパと「宗教」 【ドイツ民族主義宗教運動から見る】
深澤英隆
「北の十字軍」とは何か 【十字軍のメタモルフォーゼ】
山内進
全体論的言語像の形成 【「高貴な俗語」から近代国民語へ】
糟谷啓介
〈インタビュー〉
ヨーロッパと歴史性
・人間存在の歴史性を重視するフランス歴史学会の最長老が語る、統合の中で相互のアイデンティティを保つ、ヨーロッパの未来像。
P・ショーニュ(聞き手=I・フランドロワ/訳=尾河直哉)
神秘思想とヨーロッパ
岡田明憲
ギリシアはヨーロッパか
沓掛良彦
ヨーロッパの中のコーカサス 【予備的考察】
北川誠一
ヨーロッパ文明の源泉としてのイスラーム文明
伊東俊太郎
『マビノーギ』のケルト的循環思想とヨーロッパ
木村正俊
〈コラム〉イェイツと能──日本文化とケルト的思考の共時性
松村賢一
──内なるヨーロッパ
〈座談会〉内なるヨーロッパを越えて
・日本人にとってヨーロッパとは何だったのか。日本人はヨーロッパとどのように出会い、格闘してきたのか。ヨーロッパが直面する限界を見据え、今ヨーロッパから何を学べるかを徹底討論。
遠藤郁子+陣内秀信+三木亘+武者小路公秀
日本の近代法の誕生とヨーロッパ
眞田芳憲
暦・度量衡のヨーロッパ化と日本
橋本毅彦
中国経由の西洋知識
吉田忠
ヨーロッパ音楽に席巻された日本音楽
谷村晃
とうの立った国々の英知 【ヨーロッパの科学・環境政策】
中山茂
ロシアはヨーロッパか
樋口恒晴
近代イスラームにとってのヨーロッパ
加藤博
ラテンアメリカにとってのヨーロッパ
田中道子
アフリカにとってのヨーロッパ
小川了
──思想家とヨーロッパ
〈対談〉ヨーロッパの思想家のヨーロッパ
・非ヨーロッパ世界に対して振われる「正義」とは何か。自らの起源としての他者を常に抑圧する、「ヨーロッパ」の抱える歪みの本質を明るみに出す。
中沢新一+鈴木一策
ヴィーコ――「科学革命」の内破にむけて 上村忠男
スピノザ――『神学・政治論』とヨーロッパ 桜井直文
カント――「からだ」の底からわかりはしない 中島義道
ニーチェ──ヨーロッパへの懐疑とその落し穴 三島憲一
マルクス主義――民主主義と議会主義に対するその関係 倉田稔
ムハンマド・アブドゥフ――近代文明とイスラームの関係を模索して 飯塚正人