- 三田剛史
- A5上製 480ページ
ISBN-13: 9784894343214
刊行日: 2003/1
なぜ河上肇は中国で愛されてきたのか?
毛沢東が、周恩来が、『貧乏物語』を読んでいた!革命前後の中国で、最も多くその著作が翻訳され、最も知的影響を与えた日本人社会科学者、河上肇。厖大な史料と河上自身の知的ルーツを踏まえて初めて明かされる、河上肇という環を通じた日中間の知的交流の全貌。
目次
はしがき
序 章 なぜ河上肇か
1 自叙伝
2 研究史
3 河上肇研究の方法と意義
第I部 河上肇の学問と思想
第1章 経済学
1 徳川期経済思想と中国古典
2 西洋近代の経済学の導入
3 留学まで
4 社会問題への覚醒
5 イギリス経済思想史の探究
結
第2章 マルクス主義
1 社会主義と唯物史観
2 近世経済思想家としてのマルクス
3 弁証法的唯物論とマルクス=レーニン主義
結
第3章 道 学
1 真個の心学
2 ラスキンとマルクス
3 宗教的真理と科学的真理
結
第4章 労働観
1 生涯を貫く問題意識
2 弁証法的唯物論の受容と労働過程の考察
3 資本主義社会における労働問題
4 疎外からの解放としての労働の遊戯化
結
第II部 河上肇と中国
第5章 河上肇の著作の中国への伝播
1 日中近現代史上の河上肇
2 中国語訳された河上肇の著作
3 翻訳者の見た河上肇
第6章 河上肇の中国への影響
1 河上肇に師事した中国人留学生
2 河上肇と同時代の中国知識人・革命家
3 人民共和国成立後の河上肇評価
第II部概括
終 章 よみがえる道学的マルクス主義者
あとがき
河上肇 (1879-1946)
主要参考文献
人名索引