- 岡部伊都子
- 解説・朴才暎
- 四六上製カバー装 224ページ
ISBN-13: 9784894344396
刊行日: 2005/03
随筆家・岡部伊都子の原点!
私の虚弱な精神と感覚は、秋の華麗を紅でよりも、むしろ黄の炎のような、黄金の葉の方に深く感じていた。紅もみじの悲しみより、黄もみじのあわれの方が、素直にはいってゆけたのだ。 そのころ、私は怒りを知らなかったのだと思う。・・・・・・(本文より)
■「冬の城」「匹田鹿の子」「墨のいろ」「花道」「青松」「地獄絵図」・・・・・・芸術的な美しさにとどまらず、生命を脅かすものへの怒りと結びついた真の“美”の境地が、花ひらく。
目次
もみじ明り
冬の城
匹田鹿の子
雛まつり
墨のいろ
花 道
青 松
鏡の子
後祇園会
地獄絵図
心つむぎ
呼応の石仏
旧版あとがき
追ってがき
[解説] その手によって 朴才暎