- ピエール・ダルモン
- 寺田光德・田川光照訳
- A5上製 808ページ
ISBN-13: 9784894344792
刊行日: 2005/10
細菌はいつ発見されたか?
近代医学の最も重要な事件――「細菌の発見」。顕微鏡観察から細菌学の確立に至る200年の前史、公衆衛生への適用をめぐる150年の「正史」を、人間の心性から都市計画まで視野に収め論じる野心的大著。
目次
総 序
第Ⅰ篇 細菌の征服
第1部 微生物学の前史 (1674-1855)
序
第1章 初期の顕微鏡
第2章 自然の細工師 ―― アントニー・ファン・レーウェンフック (1632-1723)
第3章 18世紀における顕微鏡の楽しみ
第4章 顕微鏡と生殖 (17-18世紀)
第5章 自然発生という難問題 (17-19世紀)
第6章 人を殺す大地 ―― 発散物と瘴気
第7章 幻視者それとも先駆者? ―― 生物伝染説
第2部 パストゥール革命 (1855-1879)
序
第8章 革命の始まり ―― 発酵素から自然発生まで (1855-1860)
第9章 パストゥール ― プーシェ論争 (1858-1864)
第10章 酢、 ワイン、 ビールの微生物 (1861-1866)
第11章 カイコ病 (1865-1869)
第12章 細菌の登場と消毒の始まり
第13章 炭疽が秘密を明かす
第14章 最初の実験室ワクチン ―― 鶏コレラと炭疽 (1879-1881)
第3部 微生物学の飛躍 (1880-1920)
序
第15章 微生物学派の人々
第16章 微生物学派の人々 ―― その日常
第17章 微生物学の初期 ―― 病原菌の手がかり (1880-1884)
第18章 パストゥールと狂犬病 (1880-1885)
第19章 旧学派の崩壊 (1884-1887)
第20章 パストゥール研究所の設立 (1886-1888)
第21章 微生物学における最大の錯覚 (1890)
第22章 ジフテリア、 破傷風、 腸チフス、 梅毒
第23章 コッホ菌、 最大の敵 ―― カルメットとBCG
第24章 熱帯の微生物学
第Ⅱ篇 細菌汚染との闘い
序
第4部 水の呪い
序 きれいな水を求めての闘い
第25章 飲用水の大汚染
第26章 人間の排泄物は災害か、 それとも国の富か?
第27章 下水道直結式水洗便所の一大恐怖
第28章 散布式下水処理場 ―― 救いの神か悪臭か?
第29章 飼いならされる細菌 ―― 生物学的浄水場
第5部 きれいな空気を求めての闘い
序
第30章 産業による大気汚染
第31章 痰を吐くことを禁ずる!
第32章 街角での危険
第33章 住居における細菌の危険
第34章 危険度の高い場所
第6部 細菌の媒体
序
第35章 ごみ
第36章 ぼろ切れの地獄のような循環
第37章 動物の危険
第38章 第3の災厄 ―― ハエ
第39章 汚染源としての人間
〈エピローグ〉 新しい問題か、 永遠の問題か?
年代記 / 原注 / 出典
訳者あとがき
人名索引