ISBN-13: 9784894345058
刊行日: 2006/3
滝沢馬琴を驚かせた「独考」の著者の生涯とは
江戸女流文学の埋もれた傑物、只野真葛。『赤蝦夷風説考』の工藤平助の娘に生まれ、広い視野と鋭い洞察力で経済至上主義を批判、儒教の教えではなく「天地の間の拍子」に人間の生き方を見いだす独自の宇宙論「独考」を著し、かの馬琴に細緻な「独考論」を書かせた真葛の生涯に迫る。
目次
はじめに ―― 幾度かの出会い
第1章 真葛小伝
第2章 取材の旅 ―― 仙台へ、 真葛に会いに
第3章 みちのく紀行 ―― 真葛の作品をめぐって 1
1、「みちのく日記」
2、「塩竈まうで」
◇ 幕間の旅 (1)
3、「真葛がはら」
◇ 幕間の旅 (1) ― つづき
4、「いそづたひ」
◇ 幕間の旅 (1) ― つづき
第4章 仙台での日々 ―― 真葛の作品をめぐって 2
1、 「奥州ばなし」
◇ 幕間の旅 (2)
2、「キリシタン考」
◇ 幕間の旅 (3)
3、和歌と漢詩 ―― 仙台での静かな日々
第5章 「独 考」 ―― 真葛の作品をめぐって 3
1、「独考」 の基調
―― 「天地の間の拍子」 で儒教を批判
2、女と男の関係考
3、真葛の経済観
第6章 真葛と馬琴
おわりに ―― 馬琴宅跡の 「硯の井戸」 を訪ねて
あとがき
参考文献
只野真葛関係 略系図
年 譜