- 杉原四郎
- A5上製 560ページ
ISBN-13: 9784894345232
刊行日: 2006/09
積年の河上肇研究の全成果
総合的な“日本経済学史”の扉を開いた杉原四郎の真骨頂。“科学と宗教”問題を常に焦点におきながら、思想家・河上の歩みを、マルクス研究、J・S・ミル研究、人間にとっての経済と労働の意義、の三側面からたどる画期的業績。
(月報:細川元雄・金沢幾子・鈴木篤・田中秀臣)
目次
本著作集の刊行について
Ⅰ 日本経済学史上の河上肇
1 総論 ―― 生誕100年記念講演から
a 河上肇の経済原論・経済学史研究
b 『貧乏物語』 と 『経済学大網』
2 各 論
a 労働観 ―― 逝去10周年によせて
b 人口問題
c 農業論
d 日本経済思想史研究
Ⅱ 日本経済学史の展開と河上肇
1 西欧経済学の導入と河上肇
a 訳者としての河上肇
b 河上肇とアメリカ経済学
c 河上肇と古典派経済学
d マルクス経済学と河上肇
2 福田・河上問題
a 日本経済学史上における福田・河上問題
b 河上肇と福田徳三 (1)
c 河上肇と大正時代に 「生存権」 を唱えた福田徳三
d 河上肇と福田徳三 (2)
〈エッセイ〉 河上肇と京都
Ⅲ 旅人 河上肇
1 『旅人 河上肇』
a 序章・詩歌集 『旅人』
b 若き日の河上肇 ―― 東京留学の10年間
c 初期社会主義
d 『祖国を顧みて』 小論 ―― ナショナリスト河上肇
e 『貧乏物語』 の想源
f 大正デモクラシー期のイギリス研究
g ロシア革命の衝撃
2 『旅人 河上肇』 余話
a 『第2貧乏物語』
b 社会政策学会と河上肇
c 河上肇と柴田敬
d 京大社会科学研究会と河上肇
〈エッセイ〉 10年見ず故郷の花
Ⅳ 河上肇における科学と宗教
1 問題の提起
a 問題の背景
b 「宗教的真理について」 の問題意識
c 獄中の手記 ―― 『全集』 第21巻解題 (抄)
d 『自叙伝』 研究小史 ―― 『全集』 続第7巻解題 (抄)
2 研究史素描
a 出口勇蔵
b 松尾博
c 補 遺
e コメント
Ⅴ 河上肇全集への道
1 河上肇の書誌的研究
a 『貧乏物語』 小論 ―― 逝去30年に寄せて
b 書物と人生 ―― 河上肇文庫探訪記
2 河上肇著作集・河上肇全集の刊行とその後
a 全集刊行までの経過
b 全集の構成と内容
c 河上肇の書簡
d 『全集』 刊行以後
e 「短信」
解 説
あとがき
初出一覧
人名索引 (外国人名・日本人名)