- アラン・リピエッツ
- 千石玲子訳
- 四六上製 296ページ
ISBN-13: 9784894345591
刊行日: 2007/2
愛は悲劇を超えられるのか?
ラシーヌ悲劇の主人公フェードルは、なぜ罪を負わされたのか。女性の欲望への恐怖とその抑圧という西洋文明の根源を鮮やかに解き明かし、そこからの“解放”の可能性を問いかける。
環境問題からフェミニズムまで、現代の焦眉の問題に次々と切り込む経済学者の、面目躍如たる一冊。
目次
日本の読者へ ―― フェードル神話の普遍性
本書を読む前に
プロローグ
序 悲劇の言葉
I 罪の検証
罪が罪でなくなる
フェードル、 女の立場に戻される
嫉妬にかられて嘘をついたか
男同士の結束
母親の悲劇か
母親不在の母子相姦
II フェードル神話の精神分析
消される女の血筋
エウリピデスの 『ヒッポリュトス』
覆面をした神
パシファエの嘆かわしい血筋
暗黒の大陸
私たちの岸辺に上陸
迷宮の中で
III 悲劇のゆくえ
神話創出者の巻き返し
アタリーの夢
神話、 悲劇、 歴史
エピローグ
訳者あとがき
〔補〕 1 フランス17世紀と古典主義 (千石玲子)
2 ギリシャ神話と伝説 (千石玲子)
原 注