- 高銀
- 金應教編 青柳優子・金應教・佐川亜紀訳
- A5上製 264ページ
ISBN-13: 9784894345638
刊行日: 2007/3
韓国が生んだ大詩人。
凄まじいほどの有為転変を繰り返し、自殺未遂、出家と還俗、虚無・放蕩・耽美の末、労働者の惨状に抗議する全泰壹氏の焼身自殺を契機に歴史と社会に向き合う。投獄・拷問を受けながら、民主化・統一に生涯をかけ、朝鮮民族の運命を全身に背負うに至った詩人。虚無・耽美の詩風から、やがて仏教精神の静寂を、革命を、民衆の暮らしののどかさを、そして民族の歴史を、宇宙を歌い、遂に、ひとつの詩それ自体となった、その生涯。
解説=崔元植・辻井喬
目次
日本の読者へ
(青柳優子 訳)
一 彼岸感性 1960年代
(金應教・佐川亜紀 訳)
歌
詩人の心
泉隠寺の韻
肺結核
雪 道
秋の正座
喀 血
愛馬ハンスとともに
私の妻の農業
二 文義村に行って 1970年代
(金應教・佐川亜紀 訳)
蟾津江にて
文義村に行って
投 網
三四更
休戦線のあたりで
矢
ある部屋
三 祖国の星 1980年代
(金應教・佐川亜紀 訳)
そのお婆さん
ぞうきん
花 園
港
白樺林に行って
リレー
お父さん
内蔵山
通り過ぎながら
夜明け
風の詩篇 微風 / 対話 / 高圧線 / 台風 / 感謝
乞 食
夕方の一杯
四 涙のために 1990年代
(金應教・佐川亜紀 訳)
台 風
老いたヴァン・カオ
死体の横で
警 告
ゴリアテ・クレーン
文 字
流 星
酔っ払い
ふくろう
アオガエル
私の略歴
新しい本はどこにあるのか
ある喜び
滝
窓辺で
その詩人
小さな国々とともに
ある労働者
アレン・ギンズバーグ
ヒマラヤの鶴
五 ヒマラヤ詩篇 2000年代
(金應教・佐川亜紀 訳)
ソウル?底洞101番地
休戦線
東部ヒマラヤ
髑髏の杯
カリブ海で
瞬間の花
六 詩は誰なのか
(青柳優子 訳)
[解説] 高銀 抒情詩の歴程 ――――崔元植 (青柳優子 訳)
[跋] 「高銀問題」の重み ――――辻井 喬
訳者あとがき 金應教・佐川亜紀
初出・底本一覧
主要著作一覧
略年譜