ISBN-13: 9784894346499
刊行日: 2008/09
レギュラシオン理論の旗手による多様な資本主義分析
レギュラシオン理論を日本に紹介してきた著者が、「市場経済」より広い概念として「資本主義」は政治・経済・社会の連関として各地域で極めて多様でありうるという意図のもとに、様々な資本主義を国別・類型別に比較し、新しい時代に向けての方向性を提示する積年の研究集成。
目次
第1章 なぜ資本主義を比較するか
1 比較ということ
2 「資本主義」 か 「市場経済」 か
3 パフォーマンス比較からシステム比較へ
4 比較分析の奥にあるもの
第2章 資本主義はどう比較されてきったか
―段階論と類型論―
1 さまざまな資本主義への視点
2 19世紀ドイツの段階論
3 日本および欧米における段階論と類型論
4 資本主義の多様性と歴史的変遷
第3章 現代資本主義をどう比較するか
―方法としてのレギュラシオン理論 (1)―
1 レギュラシオンの30年
2 第一世代から第二世代へ
3 歴史的制度的マクロ経済学
4 経済的社会的動態の時間的空間的可変性
第4章 フォーディズム型資本主義とその帰結
―方法としてのレギュラシオン理論 (2)―
1 フォーディズムの持続的成長
2 フォーディズムの構造的危機
3 アフター・フォーディズム
4 レギュラシオン理論における方法的反省
第5章 グローバリズムと金融主導型資本主義
―現代アメリカ経済論―
1 グローバリズムと新たな成長モデル
2 即応型資本主義の優越
3 金融主導型資本主義
4 グローバリズムの帰結
第6章 二つの資本主義
―資本主義多様正論の出発点
1 アルベールとドーア
2 VOCアプローチ
3 VOCの問題点
4 VOCの補正
第7章 さまざまな資本主義
―二分法を越えて
1 3つの福祉国家
2 4つの資本主義
3 アマーブルの方法的基盤
4 5つの資本主義
第8章 資本原理と社会原理
―類型論から動態論へ
1 資本原理と社会原理の対抗と補完
2 社会的調整の多様性
3 比較分析という手法
4 比較分析から動態分析へ
第9章 比較のなかの日本資本主義
―企業主義の衰退―
1 労使妥協と雇用保障
2 金融妥協と経営保障
3 輸出主導型成長体制
4 企業主義の危機と新しい社会原理
第10章 日本資本主義へのレギュラシオン・アプローチ
―補論として
1 高度成長日本はフォーディズムであったか
2 経済大国日本はどう調整されたか
3 長期停滞日本はどういう危機にあったか
4 危機からの出口はどこにあるか