ISBN-13: 9784894346932
刊行日: 2009/6
「武士道」から「商人道」へ
グローバル化、市場主義の渦中で、“道徳”を見失った現代日本人に贈る、開かれた個人主義=〈商人道〉のすすめ。全ビジネスマン必読の一冊。
目次
はじめに
第1部 社会関係の二大原理とそれぞれの倫理
第1章 身内集団原理と開放個人主義原理 ──その合理性
1 身内集団原理の倫理観と開放個人主義原理の倫理観
2 二大原理はなぜ現れた ──リスクの 「排除」 か 「管理」 か
3 なぜ損しても他人の足をひっぱるか
補 論 ──荒井一博による山岸批判について
第2章 裏目に出る身内集団の道徳
第2部 江戸時代の商人道
第3章 石田梅岩の商人道
1 背 景 ──封建制下の市場経済の発展と既存道徳との矛盾
2 開放個人主義倫理としての石田梅岩の商人道
3 武士階級との共存と妥協
第4章 近江商人の商人道
1 近江商人の活躍
2 近江商人道の源流としての浄土真宗
3 近江商人の商業倫理
補 論 ──長浜のまちづくりと近江真宗の商人道
第5章 明治維新以前の開放個人主義倫理の伝統
1 開放個人主義倫理としての江戸商人道
2 もともと存在した開放個人主義原理の精神史
補 論 ──江戸期商人道の一源流としての鈴木正三思想
第3部 「大義名分―逸脱手段」 のシステムの落とし穴
第6章 「大義名分―逸脱手段」 図式 ──身内集団倫理と市場取引の一両立方法
1 近代日本の特質としての 「大義名分―逸脱手段」 図式
2 「大義名分―逸脱手段」 図式の発想の一典型例 ──小林よしのりの場合
第7章 「大義名分―逸脱手段」 図式の破綻 ──手段の暴走と中心目的による引っ張り返し
1 「大義名分」 達成後の 「手段」 の暴走 ──大正から昭和初期
2 「大義名分」 による引っ張り返し ──ファシズム運動から戦争へ
3 身内集団倫理神聖化の暴走と逸脱陰湿化との相互促進
4 戦後も同じことを繰り返す
第4部 生きている商人道の精神
第8章 維新後と戦後の商人道の精神
1 維新後残った商人の価値観
2 平和主義と経済建設 ──戦後の開放個人主義倫理
第9章 反撃せよ商人道
あとがきにかえて
注