「在外」日本人研究者が見た日本外交――現在・過去・未来

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  • 原貴美恵 編
  • 赤羽恒雄・芦澤久仁子・池田哲・川崎剛・佐藤洋一郎・高嶺司・丹治三夢・寺田貴・平田恵子
  • A5上製 312頁
    ISBN-13: 9784894346970
    刊行日: 2009/7

日本人が最も苦手とする、「外交」。そのロジック、力学とは何か?

冷戦崩壊後の世界秩序再編のなかで、なぜ日本の「外交」は混迷を脱せないのか?
長年海外で活躍し、「外」からの日本像を目の当たりにしてきた気鋭の研究者が、「安全保障」と「多国間協力」という、喫緊の外交課題に正面から向き合い、日本という国家が置かれた歴史的・空間的位置の現実的認識に基づいた「外交」のあるべき方向性を問う。


目次

序 「在外」 日本人研究者の視点から
原貴美恵


第Ⅰ部 ひらかれた安全保障政策へ  ――「普通の国」 をめぐって


1 ソフトパワーからハードパワーへ 【転換する日本の安全保障政策】
赤羽恒雄 (モントレー国際大学教授)

はじめに
ソフトパワーとは何か
日本の安全保障政策におけるソフトパワー
結 論

2 日本の安全保障政策と国内議論
平田恵子 (カリフォルニア州立大学ノースリッジ校助教授)

冷戦時代
冷戦後の安全保障に関する議論
四派の力関係

3 日本の海外派兵決定の分析
佐藤洋一郎 (米国国防総省アジア・太平洋安全保障研究所教授)

対テロリズム特別措置法と海上自衛隊インド洋派遣
陸上・航空自衛隊イラク派遣
結び ――海外派兵恒久法制定への動きと集団的自衛権の問題

4 日本の対外政策の中の 「沖縄」 【転機としての普天間基地移設問題】
丹治三夢 (西オーストラリア州カーティン技術工科大学研究員)

沖縄の基地 ――地方問題に隠された国際安全保障のジレンマ
冷戦の終焉と沖縄 ――国際安全保障問題への 「昇格」?
普天間基地の移設なき閉鎖 ――日米二国間同盟から東アジア多国間同盟へ
まとめ

5 日本の多国間安全保障政策 【リージョナルおよびグローバルアプローチ】
芦澤久仁子 (オックスフォード・ブルックス大学上級講師)

はじめに
リージョナルアプローチ
グローバルアプローチ
冷戦後の日本の多国間安全保障政策 ――着実な拡大と機能主義アプローチ



第Ⅱ部 東アジアの中の日本外交 ――歴史の克服から多国間協力へ


6 分割された東アジアと日本外交 【歴史検討から諸問題解決の鍵を探る】
原貴美恵 (ウォータールー大学レニソン研究教授)

東アジア ――残存する冷戦構造
サンフランシスコ平和条約と地域紛争
過去の 「盲点」 と解決の糸口
サンフランシスコ平和条約と日本の東アジア外交 ――過去と未来
北欧の先例と北方領土問題事例研究

7 日本外交と東北アジア地域システム 【世界システムから見た地域平和の可能性】
池田 哲 (コンコーディア大学准教授)

短期的分析 ――1990年代以降
中期的分析 ――第二次世界大戦後
長期的分析 ――16世紀以降
資本主義世界システムの終焉と日本の外交

8 戦後日本の中国政策 【外圧と国益のはざまで】
高嶺司 (国立沖縄高専講師)

はじめに
歴史的背景
吉田茂政権とアメリカの圧力 ――1946―54
鳩山一郎政権と自主外交路線の模索 ――1954―62
岸信介政権と日中非公式チャネル ――1957―60
池田勇人政権と政経分離政策 ――1960―64
佐藤栄作政権と貿易の政治利用――1964―71
おわりに

9 東アジア地域主義と日本 【地域概念の形成と定着における役割】
寺田 貴 (早稲田大学教授)

はじめに
「アジア太平洋」 と 「東アジア」 地域概念の派生
「東アジア」 地域概念の伝播と定着
「拡大東アジア」 地域概念の派生と伝播
おわりに

終 国際権力政治の論理と日本
川崎剛 (サイモン・フレーザー大学准教授)

はじめに
世界規模における権力政治の基本的特徴
グランド・ストラテジーの発想法
おわりに


編者あとがき

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