- 源了圓 編
- 菊大並製 248頁
ISBN-13: 9784894347137
刊行日: 2009/11
横井小楠生誕200周年記念出版!
「近代日本」をつくった思想家。
それは、竜馬でも松陰でもなく小楠である。
徹底的な理想主義者ながら、殖産興業も説き、戦略も持ったリアリスト。道半ばとはいえ、その理想が政治的実現をみた稀有な思想家。時に酒失事件も起こし、“謹厳な模範的人格者”タイプではないが、不思議な力で人々を変革へと動かした小楠の魅力。
目次
Ⅰ 小楠の魅力と現代性
〈鼎談〉 いま、 なぜ小楠か
平石直昭+松浦玲+源了圓
(司会) 田尻祐一郎
(司会) 田尻祐一郎
Ⅱ 小楠思想の形成 ――肥後時代
小楠の思想的特色 【講学・講習・討論による公論形成】
源了圓
大塚退野学派の朱子学思想 【小楠朱子学との関連で】
平石直昭
近世熊本における朱子学の一系譜 【大塚退野・平野深淵・小楠】
北野雄士
小楠の朱子学理解 【「至善」 をめざす 「中間者」】
吉田公平
実学の系譜 【藤樹・蕃山・小楠】
源了圓
実学党の誕生 【時習館をめぐる教育と政治】
鎌田 浩
小楠の実学理解 【長岡監物との比較】
堤 克彦
小楠の 『論語』 講義 【朋友と学問】
田尻祐一郎
小楠の漢詩 【折々の 「心の声」】
野口宗親
小楠と旅 【遊学と遊歴の結合】
八木清治
Ⅲ 小楠思想の実践 ――越前時代
学政一致の思想 【「学校問答書」 を中心に】
沖田行司
由利公正と小楠 【「国是三論」 と産物会所】
本川幹男
小楠の富国論 【近代経済学との比較】
山﨑益吉
水戸学批判と蕃山講学 【誠意の工夫論をめぐって】
北野雄士
Ⅳ 小楠の世界観 ――「開国」 をめぐって
「開国」 と 「公共」 との思想的関連 【『開国図志』 を中心に】
源了圓
「公共の政」 による交易 【小楠の政治改革構想】
森藤一史
世界的眼孔 【松陰と小楠の国際社会認識】
桐原健真
大義を四海に 【未完の明治維新】
石津達也
Ⅴ 小楠の晩年 ――幕政改革と明治維新
福井辞去をめぐる思想と政治
松浦 玲
坂本龍馬と小楠 【「成行を御覧あるべし」】
小美濃清明
佐久間象山と小楠 【幕政改革をめぐる理論知と実践知】
源了圓
立花壱岐と小楠 【最後の会見と 「第1等論」】
河村哲夫
小楠の 「遺表」 【海老名弾正所蔵の新史料】
徳永 洋
Ⅵ 小楠をめぐる人々
春嶽・海舟・永孚 【『小楠遺稿』 をめぐって】
松浦 玲
徳富蘇峰 【小楠研究におけるその功罪】
源了圓
安場保和と後藤新平 【小楠思想の実践者】
源了圓
〈附〉
系図
年譜
関連人物
編集後記