ISBN-13: 9784894347182
刊行日: 2009/12
著者の世界的評価を高めた一作、待望の邦訳!
17世紀、 オスマン帝国で奴隷の身となったヴェネツィア人。 自分と酷似したトルコ人学者に買い取られ、 奇妙な共存関係を結ぶことになる。 科学的知識を共有するのみならず、 「自己とは何か」 という西洋人の根源的な問いを通じて互いの全てを知り合うようになった二人の行方は?
「東」 と 「西」 のせめぎあう最前線を、 揺れ動く2人の関係の変化のなかに見事に描きだした、パムクの出世作。
関連情報
★英訳刊行時の書評
「短い作品ではあるが、傑出した才能によって完全で自立した世界を存在させている、稀有な小説」
(『ニューヨーク・タイムズ』紙)
「東洋と西洋についての、優雅だが重要な瞑想である。哲学的・歴史的な深遠さがあり、 カフカやカルヴィーノと比べても大げさではない。彼らと同じ真摯さ、感受性、繊細さが随所に見られるのがその証だ」
(『インディペンデント』紙)
「この種の小説の書き手に散見されるような、作家のふりをした二流の哲学者ではなく、 パムクは一流のストーリーテラーだ。本書はエンターテイメントとしても優れた、心揺さぶる作品だ」
(『タイムズ文芸付録』)