- 石崎晴己・立花英裕 編
- A5上製 392頁
ISBN-13: 9784894347205
刊行日: 2009/12
「知識人」から見る、現代世界。
「民衆」や「大衆」、地域の「歴史・文化」や「政治・経済体制」、そして「メディア」を前にして、常にアポリア的状況に置かれる「知識人」のありようは、 その「社会」を写し出す“鏡”である。フランスにおける「知識人」という形象の成立と変容を辿りつつ、非西洋諸国、旧植民地国など世界各地における「知識 人と社会」の関係を俯眼する画期的論集!
目次
「21世紀の知識人」 という問い ――序にかえて
石崎晴己
一 フランス ――知識人の形成と展開
フランスにおける知識人の歴史 ――18世紀から現代まで
ジャック・ジュリアール (築山和也 訳)
サン= シモン財団とは何か ――ポスト革命期の 「サン=シモン的転回」
クリストフ・プロシャソン (工藤 晋 訳)
20世紀フランスにおけるアンガジュマン・モデル
ジゼル・サピーロ (丸山真幸 訳)
知識人とメディア
セルジュ・アリミ (大中一彌 訳)
21世紀におけるヴァーチャル知性
ピエール・レヴィ (西川葉澄 訳)
サルトルとユダヤ人 ――巻き込まれてはいるが参加していない者の義務について
有田英也
エティエンヌ・バリバール論 ――あるマルクス主義哲学者の軌跡
大中一彌
フランスの保守革命とセキュリティの政治
丸山真幸
二 東アジアの知識人 ――近代化と伝統の狭間で
21世紀中国の知的躍進に向けて ――文化の再構築という課題
董 強 (中野 茂 訳)
高行健、 ある周縁の知識人
ノエル・デュトレ (大辻 都 訳)
知識人と現実の政治
陳 丹青 (権 寧花 訳)
中国現代写真事情
顧 錚
20世紀朝鮮知識人の歴史
曹秉竣 (一條由紀 訳)
世界化の中の知識人 ――天寒く江おのずと波立つ
崔 元植 (申賢慶 訳)
東アジア言語の広場のために
高 銀 (申賢慶 訳)
三 日本の知識人 ――個と社会の狭間で
知識人の終焉? ――「身体の零度」 という幻想の行方
三浦雅士
日本の知識人とフランス ――戦前・戦中・戦後
渡邊一民
消滅する媒介者の面影 ――谷川雁ときだみのるについて
上野俊哉
物質と記憶 ――わたしたちの過去に未来はあるのか
港 千尋
表現者にとって、 いかなる社会的関与が可能か
コリン・コバヤシ
日本における大学というフィクション
白石嘉治
咆哮する連合 ――自由と多様性が開花する反グローバリゼーション運動
矢部史郎
新知識人よ、 連帯せよ
古川高子
四 フランコフォニーの知識人 ――言語と国境の狭間で
言語と境界の狭間で ――ハイチの知識人
ジャン=クロード・フィニョレ (中村隆之 訳)
知識人とグローバリズム ――モロッコで知識人であるとは?
アブデルケビール・ハティビ (鵜戸 聡 訳)
マグレブ仏語文学と知識人、 そして日本
鵜戸 聡
フランス語圏と知識人 ――あるいは外=国語を学ぶこと
澤田 直
五 知識人とは何か
知識人の問題系 ――20世紀的空間から21世紀的空間へ
立花英裕
〈総括座談会〉 知識人に未来はあるか
立花英裕+星埜守之+澤田直 (司会) 石崎晴己
〈附〉 国際シンポジウム 「21世紀の知識人」 閉会の辞
加藤晴久
あとがき
関連年表 (1870―2008)
関連文献一覧