ISBN-13: 9784894347663
刊行日: 2010/10
現代人と「時間」の関わりを論じた名著、待望の新版刊行!
“自由時間”から“レジャーの時間”へ――現代人の希求する自由時間とは何か。
仕事のための力を再創造する時間としてあった自由時間から、「レジャー」の時間への移行過程を丹念に跡づける、“感性の歴史家”コルバンの面目躍如たる一書。
目次
日本の読者へ
序 章 レジャーの誕生
欲望・期待・悔恨の交差点で / 気晴しの産業と快楽のモラル / 社会的時間の再配分 / 自分のための時間の要求
第1章 イギリス人と余暇
古い余暇から近代的ヴァカンスへ ――鉄道の役割 / 温泉街から海辺へ / 旅と健康 / ゲームの領土としての世界 / 20世紀と民主化
第2章 教養としての余暇から有閑階級の余暇へ
満たされた閑暇のパラドクス / 豪華客船あるいは時空間の空虚 / 要約された生
第3章 ヴァカンスと自然再訪 (1830―1939年)
ヴァカンスと私生活 (海水浴場 / 身体のための時間 / 幸福の家) / 出かけることは、 少し生きること (観光の夢 / ガイドブックの時代 / 挑戦の時代 山の発明 / 若者のヴァカンス) / 公の時間と私的な時間
第4章 都市の余暇の拡がりと変動 ――19世紀から20世紀初頭のパリ
パリでのお愉しみ ――神話の優勢? / パリの時間性と余暇 / 「楽しむべき」 街のリズムとコース / 自由時間の市場と娯楽の都会的文化 / スペクタクルの君臨と夢の機械化 / 日曜日は街の外の時間?
第5章 統合イタリアにおける都市の娯楽の変貌 (1870―1915年)
公共空間と集団の娯楽 / 分割と私的情景への後退 / 境界線の強化 / カフェ=コンセールとヴァラエティー劇場、 あるいは気晴し法の更新 / 映画館と大衆文化の系譜
第6章 スポーツの時間
( 「生産」 な余暇と断絶の時間 / スポーツマンと 「有効な」 時間 / ボートの漕ぎ手と遊民 / レース、 制度、 計算 / 祝祭と課された時間) / 分けられた時間、 計算された時間 (暦をつくる / 集中した時間 / 強制された記録 / 時間を倍加する) / スポーツと 「情報通の」 社会 (スポーツと消費される出来事 / 「情報化された」 身体のイメージ)
二つのサッカー
執筆者紹介