ISBN-13: 9784894347786
刊行日: 2010/12
「野蛮」と「文明」の逆説。
「文明開化」で「野蛮」として禁止された日本の刺青を「文明国」の王室関係者や貴族が競って求めた――明治期に来日した英国の王子たち、第一次大戦で敵対した協商国と同盟国の王室関係者、そしてヤルタ会談で第二次大戦を終結させたルーズベルト、チャーチル、スターリンまでもが、実は刺青を入れていた!
目次
序 章 英国の 「刺青」 時代
イレズミとは / 英国王室での流行 / 欧米諸国への広がり
第1章 幕末・明治の名人刺青師
谷崎潤一郎 『刺青』 / 『日本社会事彙』 と 「刺青考」 / 幕末の名人 / 明治初期の名人 / 明治後期の名人 / 日本刺青界が生み出した最高の名人、 彫宇之
第2章 日本滞在記や旅行記に紹介された日本の刺青
オールコックとオリファントの観察 / 外国人が目にした刺青 / 入墨する外国人 / 入墨の方法
第3章 英国王室とエドワード7世
英国王室とヨーロッパ王室の錯綜した関係 / エドワード7世
第4章 英国における刺青受容と刺青師たち
19世紀における刺青の受容 / 女性の刺青と貴族の結婚 / 英米の刺青師たち / タトゥー・マシン / 英国の4大刺青師 / サザランド・マクドナルド / アルフレッド・サウス / トム・ライレー / ジョージ・バーチェット / 刺青を入れた王室関係者や貴族たち
第5章 日本で刺青を入れた英国王室関係者および英国貴族
チャールズ・ベレスフォード / アルフレッド王子の来日 / アルバート・ヴィクター王子とジョージ王子 / コノート父子の来日
第6章 「刺青師のエンペラー」 彫千代
伝説化した彫千代 / 彫千代の実像
終 章 「文明」 と 「野蛮」 のパラドクス
日英関係の変化と刺青の拒否 / 彫千代と藤田嗣治 ――西洋への移植に彫宇之以上に貢献 / 大英帝国と日本の刺青 / ヤルタ会談の3首脳 (ルーズベルト・チャーチル・スターリン) の刺青
注
参考文献
あとがき