- 小倉紀蔵 著
- A5上製 456頁
ISBN-13: 9784894348554
刊行日: 2012/5
福澤諭吉―丸山眞男らの近代日本理解を批判。通説を覆す気鋭の問題作!
明治から、日本の“儒教化”は始まった。
徳川期は旧弊なる儒教社会であり、明治はそこから脱皮し西洋化する――という通説は誤りである! 明治以降、国民が、実は虚妄であるところの〈主体化〉によって〈序列化〉し、天皇中心の思想的枠組みを構築する論理を明快に暴き出す野心作である。
「日本の近代というのは朱子学化の歴史であり、そこでは朱子学的〈主体〉が大量に生産され、それらすべてが〈序列化〉の競争を生きた」(本書あとがきより)
目次
第1章 朱子学化する日本近代
第2章 儒教的〈主体〉の諸問題
第3章 朱子学の論理的始源
第4章 朱子学的思惟〉における〈主体〉の内在的階層性
第5章 〈主体〉と〈ネットワーク〉の相克
第6章 〈こころ〉と〈ニヒリズム〉
第7章 〈主体〉、〈ネットワーク〉、〈こころ〉、〈ニヒリズム〉
第8章 国体論、主体、霊魂
第9章 明治の「天皇づくり」と〈朱子学的思惟〉 〔元田永孚の思想〕
第10章 福澤諭吉における朱子学的半身
第11章 〈逆説の思想史〉が隠蔽したもの 〔丸山眞男における朱子学的半身〕
第12章 「主体的な韓国人」の創造 〔洌巖・朴鍾鴻の思想〕
第13章 司馬遼太郎の近代観と朝鮮観 〔朱子学理解をめぐって〕
第14章 白馬の天皇のあいまいな顔 〔儒教・カリスマ・近代〕
第15章 おわりに 〔日本近代とは何だったか〕