ISBN-13: 9784894348783
刊行日: 2012/10
林芙美子の真実に迫る!
誰よりも自由で、誰よりも身勝手で、誰からも嫌われ、そして誰よりも才能に溢れた作家がいた。
「この世の中に何一つ自由はない。底なしの空虚が時々私の心におそつて来る。小説を書くと云ふ事、人の心にふれる小説を書くと云ふ事が私のよるべであり、私の生きてゆく力であらう。」林芙美子(「暗い花」あとがき)
◎同時代を生きた女性作家を取材し、その証言をもとに新たな林芙美子像を時代の中で浮彫りにする。
◎戦争の渦中、そして戦後の占領下、林芙美子はどう生き抜き、何を書いたのか?
◎林芙美子の最後の恋人、高松棟一郎の実像とは。
目次
序章 葬 儀
一 一九五一年六月二八日
二 黍 畑
三 孤 影
第一章 芙美子、歩き始める
一 左内坂
二 落合川
三 銀 座
四 浅加園
第二章 蒼馬を見たり
一 日比谷野外音楽堂
二 長谷川時雨邸
三 詩集『蒼馬を見たり』
四 遠賀川
第三章 下駄で歩いた巴里
一 セーヌ川
二 パリ十四区
三 マロニエ並木
四 アルジャントゥーユ
五 ノエル
六 ロダン美術館
七 カフェ・リラ
第四章 漢口一番乗り
一 湯ヶ島温泉
二 「陸軍ペン部隊」
三 最前線へ
四 漢口入城
第五章 夕映え
一 晩 菊
二 紅蓮の?
三 敗 戦
終章 ?燭はまだ燃えてゐる
一 夢一夜
二 ? 燭
あとがき
林芙美子 年譜(1903-51)
参考文献
人名索引