- 鈴木道彦 著
- 四六上製 544頁 口絵8頁
ISBN-13: 9784894349094
刊行日: 2013/4
『失われた時を求めて』個人全訳者によるプルースト論の決定版
◎『失われた時を求めて』発刊百周年記念
プルーストにおける「私」とは何か。個人全訳を成し遂げた著者が、20世紀最大の「アンガージュマン」作家としてのプルースト像を見事に描き出し、文学・芸術界におけるこの稀有な作家の「誕生」の意味を明かす。長大な作品の本質に迫り、読者が自らを発見する過程としての「読書」というスリリングな体験に誘う名著。
目次
序章 プルースト遍歴
Ⅰ 『囚われの女』をめぐって
無名の一人称
コミックの誕生
Ⅱ 実人生と作品
イサクと父親
ソドムを忌避するソドムの末裔
不在の弟――「ロベールと仔山羊」をめぐって
喘息の方舟
あるユダヤ意識の形成
Ⅲ 幼少期のプルースト
マルセル・プルーストの誕生
Ⅳ 翻訳の可能性
スノビスムの罠
コンブレーの読書する少年
翻訳の可能性――『失われた時を求めて』の全訳を終えて
注/プルースト略年譜/人名索引