- 黒岩重人 著
- 四六上製 400頁
ISBN-13: 9784894349315
刊行日: 2013/8
『易経』の大家、景嘉師直伝の気鋭の著者による決定版!
易とは何か? 現代を読み解く鍵である!
四書五経の筆頭『易経』は、“陰”と“陽”という二つの要素から森羅万象の変化の法則を説いたもので、秦の始皇帝によって唯一、焚書されずに残った最古の書物である。
易の考え方の根本から、原文・読み下し・語注・釈文で構成する決定版!
目次
はじめに
六十四卦検索表
凡 例
易を読むための基礎知識
一 易の三義
二 易の組織
三 易経の構成
四 易経成立の伝説
五 易の用語
六 八卦の象意
七 よく使われる語句
八 筮法
周易上經(彖伝及び象伝を付す)
1 乾(乾為天)
2 坤(坤為地)
3 屯(水雷屯)
4 蒙(山水蒙)
5 需(水天需)
6 訟(天水訟)
7 師(地水師)
8 比(水地比)
9 小畜(風天小畜)
10 履(天沢履)
11 泰(地天泰)
12 否(天地否)
13 同人(天火同人)
14 大有(火天大有)
15 謙(地山謙)
16 豫(雷地豫)
17 隨(沢雷随)
18 蠱(山風蠱)
19 臨(地沢臨)
20 觀(風地観)
21 噬こう(火雷噬こう)
22 賁(山火賁)
23 剥(山地剥)
24 復(地雷復)
25 无妄(天雷无妄)
26 大畜(山天大畜)
27 頤(山雷頤)
28 大過(沢風大過)
29 習坎(坎為水)
30 離(離為火)
【参考】復其見天地之心乎。(復に其れ天地の心を見るか)について
関連情報
近江聖人といわれた、江戸初期の儒学者、中江藤樹に、『翁問答』という著書がある。
ある時、門人が藤樹に問うた。「先生は、『易経』をよく学べ、とおっしゃいましたが、先生が易学と言われましたのは、蓍や本卦などの占いのことでしょうか」と。
藤樹は答えた。「それも易学の一種には違いないが、今私の言ったのはそのことではない。『易経』に述べられている神妙の道を悟り、自分の身に備えつけることである。この易学は、孔子でさえ、革の綴じ紐が三度もすり切れるほど熱心に読み込まれた、と言い伝えられている。だから、よくよく観察の年功を積まなければ、その表面程度のことさえも会得はできまい。儒学の書についてはいうまでもなく、この天地間のことで『易経』の神妙な理に洩れていることはない。また、易の理から出ていないことは、一つもないのである」と。
この問答を読んで、今も昔も変わりがないことに驚いた。藤樹の門人も、易学と聞いて、それは「うらない」のことですかと、聞き返しているのである。現代の人もこれと同じで、ほとんどの人が「易」と聞けば「うらない」のことだと思っている。だが、易には二つの顔があるのだ。占いの顔と、もう一つの顔、哲学・思想の書としての『易経』である。
……
この書を著すにあたって、最も留意したのは、『易経』を平易な現代語で読むことができるように、ということであった。『易経』は、難解な古典である、とよく言われる。確かに古い文体の漢文で書かれていて、現代の人にはなじみが薄い。しかし、易の基本的な仕組みは「陰」と「陽」の二つの要素だけであり、極めてシンプルなものである。込み入っていて煩雑なところは、少しもない。
●黒岩重人(くろいわ・しげと)
1946年長野県生。法政大学文学部卒業。
故景嘉師に師事して、易経及び陰陽五行思想を学ぶ。
易・陰陽五行に関する諸講座の講師。西東京市にて、「易・陰陽五行の会」講師。
「東京新宿易の会」主宰。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです
ある時、門人が藤樹に問うた。「先生は、『易経』をよく学べ、とおっしゃいましたが、先生が易学と言われましたのは、蓍や本卦などの占いのことでしょうか」と。
藤樹は答えた。「それも易学の一種には違いないが、今私の言ったのはそのことではない。『易経』に述べられている神妙の道を悟り、自分の身に備えつけることである。この易学は、孔子でさえ、革の綴じ紐が三度もすり切れるほど熱心に読み込まれた、と言い伝えられている。だから、よくよく観察の年功を積まなければ、その表面程度のことさえも会得はできまい。儒学の書についてはいうまでもなく、この天地間のことで『易経』の神妙な理に洩れていることはない。また、易の理から出ていないことは、一つもないのである」と。
この問答を読んで、今も昔も変わりがないことに驚いた。藤樹の門人も、易学と聞いて、それは「うらない」のことですかと、聞き返しているのである。現代の人もこれと同じで、ほとんどの人が「易」と聞けば「うらない」のことだと思っている。だが、易には二つの顔があるのだ。占いの顔と、もう一つの顔、哲学・思想の書としての『易経』である。
……
この書を著すにあたって、最も留意したのは、『易経』を平易な現代語で読むことができるように、ということであった。『易経』は、難解な古典である、とよく言われる。確かに古い文体の漢文で書かれていて、現代の人にはなじみが薄い。しかし、易の基本的な仕組みは「陰」と「陽」の二つの要素だけであり、極めてシンプルなものである。込み入っていて煩雑なところは、少しもない。
●黒岩重人(くろいわ・しげと)
1946年長野県生。法政大学文学部卒業。
故景嘉師に師事して、易経及び陰陽五行思想を学ぶ。
易・陰陽五行に関する諸講座の講師。西東京市にて、「易・陰陽五行の会」講師。
「東京新宿易の会」主宰。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです