英雄はいかに作られてきたか――フランスの歴史から見る

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  • アラン・コルバン
  • 小倉孝誠 監訳 梅澤礼・小池美穂 訳
  • 四六変上製 256ページ
    ISBN-13: 9784894349575
    刊行日: 2014/03
  • 歴史家コルバンが初めて子どもに語る歴史物語

    ――お父さんは、英雄や偉人たちは作られるもので、その名声はときどき変化するんだって言ったよね? 僕がほめたたえるように教えられてきた人たちの場合はどうだったか、教えてくれる?
    ――教えるとも。彼らがなぜ名声を得たのか、そしてその名声が状況によってどう変化したかを説明してゆこう。

    目次


    日本の読者へ  アラン・コルバン

    第 I 部
    英雄
    聖人
    啓蒙時代の偉人
    ロマン主義者にとっての英雄
    第三共和政〔1870―1940〕の寄与
    1948年以降の賛嘆の原動力の変化
    英雄決定機関

    第 II 部
    フランキュス(またはフランシオン)からウェルキンゲトリクスまで
    クローヴィス(466頃―511)
    フランス史の英雄シャルルマーニュ(742頃―814)
    聖王ルイ(1214―70)
    デュ・ゲクラン(1320―80)
    ジャンヌ・ダルク(1412―31)
    フランソワ一世(1494―1547)
    バヤール(1476―1524)
    アンリ四世(1553―1610)
    リシュリュー(1585―1642)
    マザラン(1602―61)
    ルイ十四世(1638―1715)
    大革命の英雄たち
    ナポレオン一世(1769―1821)
    アルフォンス・ド・ラマルティーヌ(1790―1869)
    ナポレオン三世(1808―73)
    ヴィクトル・ユゴー(1802―85)
    ガンベッタ(1838―82)
    ルイ・パストゥール(1822―95)
    ジャン・ジョレス(1859―1914)
    クレマンソー(1841―1929)
    フォッシュ元帥(1851―1929)
    リヨテ元帥(1854―1934)
    ギヌメールからメルモーズとサン=テグジュペリまで
    栄光から憎悪まで――フィリップ・ペタン(1856―1951)の場合
    シャルル・ド・ゴール(1890―1970)
    第二次世界大戦の英雄たち、2つのモデル
     ――ルクレール元帥(1902―47)とジャン・ムーラン(1899―1943)


     付録
     謝辞
     〈解題〉英雄・偉人にみられるフランス人の歴史意識  小倉孝誠
     フランス史年表(前9世紀―1969年)

    関連情報

    本書は、一定の時代に英雄がどのように創られ、場合によってはその英雄がどのように貶められたか――それを検討するのが目的だった。ある者は一時期英雄視され、その後忘却された(バヤール)。生前のある時期に英雄とみなされたペタンは、その後罵倒されることになった。いずれにしても、本書は読者の関心を引き、フランスでさまざまな考察を促した。
    (「日本の読者へ」より)



    ■著者紹介■
    アラン・コルバン(Alain Corbin)
    1936年、フランスのオルヌ県に生れる。カーン大学卒業後、歴史学の教授資格取得(1959年)。リモージュのリセで教えた後、トゥール(フランソワ・ラブレー)大学教授として現代史を担当(1972―1986)。1987年よりパリ第一(パンテオン・ソルボンヌ)大学教授として、モーリス・アギュロンの跡を継いで19世紀史の講座を担当した。現在、パリ第一大学名誉教授。
    アラン・コルバンは“感性の歴史家”としてフランスのみならず西欧世界の中で知られている。近年は、『身体の歴史』(全3巻)や『男らしさの歴史』(全3巻)の監修者として、多くの若い歴史学者の中心的存在として活躍している。
    主な著書として、『娼婦』『においの歴史』『浜辺の誕生』『時間・欲望・恐怖』『人喰いの村』『音の風景』『記録を残さなかった男の歴史』『風景と人間』『快楽の歴史』(いずれも藤原書店刊)などがある。


    ■監訳者紹介■
    小倉孝誠(おぐら・こうせい)
    1956年生まれ。1987年、パリ第4大学文学博士。1988年、東京大学大学院博士課程中退。現在、慶應義塾大学文学部教授。専門は近代フランスの文学と文化史。著書に『「感情教育」歴史・パリ・恋愛』(みすず書房、2005年)、『身体の文化史』(中央公論新社、2006年)、『犯罪者の自伝を読む』(平凡社新書、2010年)、『愛の情景』(中央公論新社、2011年)など。また訳書にコルバン『音の風景』(藤原書店、1997年)、フローベール『紋切型辞典』(岩波文庫、2000年)、ユルスナール『北の古文書』(白水社、2011年)など多数ある。

    ■訳者紹介■
    梅澤礼(うめざわ・あや)
    1979年生まれ。上智大学出身。ベルギー政府奨学生、フランス政府奨学生を経て、2012年、パリ第1大学史学博士。現在、日本学術振興会特別研究員PD、上智大学非常勤講師。専門は19世紀フランスの文学と犯罪学。

    小池美穂(こいけ・みほ)
    1977年生まれ。2011年パリ第10大学文学博士。同年、慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。現在、慶應義塾大学・中央大学非常勤講師。専門はルネサンス文学。

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