- 石牟礼道子 著
- 四六並製 408頁
ISBN-13: 9784894349582
刊行日: 2014/2
『苦海浄土』三部作の核心
第一部『苦海浄土』、第三部『天の魚』に続き、四十年の歳月を経て完成
渡辺京二氏「『第二部』はいっそう深い世界へ降りてゆく。それはもはや裁判とも告発とも関係のない基層の民俗世界、作者自身の言葉を借りれば『時の流れの表に出て、しかとは自分を主張したことがないゆえに、探し出されたこともない精神の秘境』である」
(本書解説より)
目次
第一章 葦舟
第二章 神々の村
第三章 ひとのこの世はながくして
第四章 花ぐるま
第五章 人間の絆
第六章 実る子
掌が後ろからそっときて――あとがきにかえて 石牟礼道子
解説「『苦海浄土』三部作で要の位置を占める作品」 渡辺京二
第二章 神々の村
第三章 ひとのこの世はながくして
第四章 花ぐるま
第五章 人間の絆
第六章 実る子
掌が後ろからそっときて――あとがきにかえて 石牟礼道子
解説「『苦海浄土』三部作で要の位置を占める作品」 渡辺京二
関連情報
「『第一部』が「ゆき女聞き書」に代表されるように、彼女の天質が何の苦渋もなく流露した純粋な悲歌であり、『第三部』がトランス状態のうちに語られた非日常界であるとすれば、『第二部』は水俣病問題の全オクターヴ、その日常と非日常、社会的反響から民俗的底部まですべて包みこんだ巨大な交響楽といってよい。水俣病とは何であったか、そのことをこれだけの振幅と深層で描破した作品はこの『第二部』以外にこれまでもこれからもあるはずがなかった。その意味で『第二部』は『苦海浄土』三部作中、要の位置を占める作品というべきである。」渡辺京二 氏