ISBN-13: 9784894349827
刊行日: 2014/08
「世界文学」の旗手による必読の一冊!
「寿司はお好きですか?――いや。」
編集者に督促され、訪れたこともない国名を掲げた新作の構想を口走った「私」のもとに、次々と引き寄せられる「日本」との関わり――国籍や文学ジャンルを越境し、しなやかでユーモアあふれる箴言に満ちた作品で読者を魅了する著者の、アイデンティティの根源を問う話題作。昨年アカデミー・フランセーズに選出され、今、世界的に注目を集める作家の最新邦訳。
目次
早撃ち男
魚屋で
煩悶する鮭
ポケット版アジア
背筋を伸ばした人生
地下鉄で芭蕉を読む
カフェ・サラエヴォ、愛の交わり
エッフェル塔の日本人
ヴォドゥ人形ビョーク
素朴画の絵描きたち
オブジェ
ミドリの取り巻き
毒を含んだキス
エイコの長い背中
交差する舞い
人間機械
ニグロの敗北
田舎の日曜日
浴槽の中で
小さな死
身投げ
ア・ソング・フォー・ミドリ
フレンチ・キス
ピンポン試合
寿司はお好きですか
作家でいらっしゃいますか
マンガ的死
プラトンと管理人
ヒデコの秘密
公園
トロイ戦争
テレビの前で食べるスパゲッティ
警棒
ミモザの時間
ミス・天気予報
ムッシュー・タニザキの悩み
アメリカ化
日本化
〈自己中〉人間へのズームアップ
覚めた眼
柔らかな肌
カミカゼ
ストックホルムの編集者
故郷の町の食人種
変身
川の美しい眺め
剥奪された人生の物語
魔術的時間
ハルカって、援助交際しているの
ホテルの部屋で
蛇のタトゥー
リチャード・ブローティガンの長靴
薄目の瞼
忘れられた秘密
黄金の欲望
私はボルヘスではないし、ムッシュー・タニザキは本当の名前ではない。
風景
最後の旅
関連情報
私の嫌いなものがまた出てきた。本物主義というやつだ。
本物のレストラン、本物の人たち、本格的なもの、
本当の人生なんて、これ以上の偽物はない。
人生は、もっと違う場所にある。
(本書より)
●ダニー・ラフェリエール(Dany Laferri?re)
1953年、ハイチ・ポルトープランス生まれ。小説家。
4歳の時に父親の政治亡命に伴い、危険を感じた母親によってプチゴアーヴの祖母の家に送られる。彼にとっての「最初の亡命」であり、創作の原点と後に回想。若くしてジャーナリズムの世界に入るも、23歳の時に同僚が独裁政権に殺害されたため、カナダ・モントリオールに亡命。1985年、処女作である『ニグロと疲れないでセックスする方法』(邦訳藤原書店)で話題を呼ぶ(89年に映画化。邦題『間違いだらけの恋愛講座』)。90年代はマイアミで創作活動。2002年より再びモントリオール在住。『エロシマ』(87年)、『コーヒーの香り』(91年)、『甘い漂流』(94年、邦訳藤原書店)、『終わりなき午後の魅惑』(97年)、本書『吾輩は日本作家である』(08年)、『帰還の謎』(09年、モントリオールの書籍大賞、フランスのメディシス賞受賞。邦訳藤原書店刊)など作品多数。2010年にはハイチ地震に遭遇した体験を綴る『ハイチ震災日記』(邦訳藤原書店)を発表した。その他、映画制作、ジャーナリズム、テレビでも活躍している。2013年、アカデミー・フランセーズ会員に選出される。
●立花英裕(たちばな・ひでひろ)
1949年生。フランス語圏文学。早稲田大学教授。
共著に、『アジア文学におけるフランス的モデルニテ』(仏文、PUF)など。共編著に、『21世紀の知識人―― フランス、東アジア、そして世界』(藤原書店)など。訳書に、ピエール・ブルデュー『国家貴族 ?・?』、ダニー・ラフェリエール『ハイチ震災日記』『ニグロと疲れないでセックスする方法』(藤原書店)など。共訳書に、フリオ・コルタサル『海に投げ込まれた瓶』(白水社)、ブシャール『ケベックの生成と「新世界」』(彩流社)、『月光浴――ハイチ短篇集』(国書刊行会)、エメ・セゼール『ニグロとして生きる』(法政大学出版局)など。2009年、ケベック州政府からアメリカ地域フランコフォン功労賞を受賞。
本物のレストラン、本物の人たち、本格的なもの、
本当の人生なんて、これ以上の偽物はない。
人生は、もっと違う場所にある。
(本書より)
●ダニー・ラフェリエール(Dany Laferri?re)
1953年、ハイチ・ポルトープランス生まれ。小説家。
4歳の時に父親の政治亡命に伴い、危険を感じた母親によってプチゴアーヴの祖母の家に送られる。彼にとっての「最初の亡命」であり、創作の原点と後に回想。若くしてジャーナリズムの世界に入るも、23歳の時に同僚が独裁政権に殺害されたため、カナダ・モントリオールに亡命。1985年、処女作である『ニグロと疲れないでセックスする方法』(邦訳藤原書店)で話題を呼ぶ(89年に映画化。邦題『間違いだらけの恋愛講座』)。90年代はマイアミで創作活動。2002年より再びモントリオール在住。『エロシマ』(87年)、『コーヒーの香り』(91年)、『甘い漂流』(94年、邦訳藤原書店)、『終わりなき午後の魅惑』(97年)、本書『吾輩は日本作家である』(08年)、『帰還の謎』(09年、モントリオールの書籍大賞、フランスのメディシス賞受賞。邦訳藤原書店刊)など作品多数。2010年にはハイチ地震に遭遇した体験を綴る『ハイチ震災日記』(邦訳藤原書店)を発表した。その他、映画制作、ジャーナリズム、テレビでも活躍している。2013年、アカデミー・フランセーズ会員に選出される。
●立花英裕(たちばな・ひでひろ)
1949年生。フランス語圏文学。早稲田大学教授。
共著に、『アジア文学におけるフランス的モデルニテ』(仏文、PUF)など。共編著に、『21世紀の知識人―― フランス、東アジア、そして世界』(藤原書店)など。訳書に、ピエール・ブルデュー『国家貴族 ?・?』、ダニー・ラフェリエール『ハイチ震災日記』『ニグロと疲れないでセックスする方法』(藤原書店)など。共訳書に、フリオ・コルタサル『海に投げ込まれた瓶』(白水社)、ブシャール『ケベックの生成と「新世界」』(彩流社)、『月光浴――ハイチ短篇集』(国書刊行会)、エメ・セゼール『ニグロとして生きる』(法政大学出版局)など。2009年、ケベック州政府からアメリカ地域フランコフォン功労賞を受賞。