- エマニュエル・トッド 著
- 石崎晴己 監訳
片桐友紀子・中野茂・東松秀雄・北垣潔 訳
- A5上製 424頁 図表多数
ISBN-13: 9784865780727
刊行日: 2016/6
「家族システムの起源は“核家族”である」! 40年の集大成!
伝統的な家族構造が多様な近代化の道筋をつけたと論証してきたトッドは、家族構造が不変のものではなく変遷するという方法の大転換を経て、家族構造の単一の起源が核家族であること、現在、先進的なヨーロッパや日本はその古代的な家族構造を保持しているということを発見した。
(上)中国とその周縁部/日本/インド/東南アジア
目次
日本語版への序文
序説 人類の分裂から統一へ、もしくは核家族の謎
第1章 類型体系を求めて
第2章 概観――ユーラシアにおける双処居住、父方居住、母方居住
第3章 中国とその周縁部――中央アジアおよび北アジア
第4章 日 本
第5章 インド亜大陸
第6章 東南アジア
原註
関連情報
■本書は、全く通常と異なる、ほとんど逆の、人類の歴史の姿を提示するものである。ユーラシアの周縁部に位置する、現在最も先進的である国々、とりわけ西欧圏が、家族構造としては最も古代的なものを持っているということを、示しているからである。
■発展の最終局面におけるヨーロッパ人の成功の一部は、そうした古代的な家族構造はかえって変化や進歩を促進し助長する体のものであり、彼らヨーロッパ人はそうした家族構造を保持してきた、ということに由来するのである。
■このような逆説は、日本と中国の関係の中にも見出される。日本は経済的に中国に比べてひじょうに進んでいるが、家族構造としてはより古代的なものを持っているのである。今後は、家族システムの歴史のこうした新たな見方を踏まえた人類の社会・政治・宗教史の解釈を書くことが必要となる。
(「日本語版への序文」より)
著者紹介
●エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)
こちらをご覧下さい。
【訳者】
●石崎晴己(いしざき・はるみ)
1940年生まれ。青山学院大学名誉教授。1969年早稲田大学大学院博士課程単位取得退学。専攻フランス文学・思想。
訳書に、ボスケッティ『知識人の覇権』(新評論、1987)、ブルデュー『構造と実践』(1991)『ホモ・アカデミクス』(共訳、1997)、トッド『新ヨーロッパ大全ⅠⅡ』(Ⅱ共訳、1992-1993)『移民の運命』(共訳、1999)『帝国以後』(2003)『文明の接近』(クルバージュとの共著、2008)『デモクラシー以後』(2009)『アラブ革命はなぜ起きたか』(2011)『最後の転落』(2013)『不均衡という病』(ル・ブラーズとの共著、2014)など多数。編著書に、『世界像革命』(2001)『サルトル 21世紀の思想家』(共編、思潮社、2007)『21世紀の知識人』(共編、2009)『トッド 自身を語る』(2015年)(出版社名が明示されていないものは、いずれも藤原書店)など。
●片桐友紀子(かたぎり・ゆきこ)
1984年生まれ。青山学院大学フランス文学科卒業、同大学院修士前期課程修了。
●中野茂(なかの・しげる)
1966年生まれ。パリ第8大学博士課程修了(文学博士)、早稲田大学博士後期課程満期退学。早稲田大学高等学院教諭、早稲田大学非常勤講師。フランス文学・フランス語教育。
●東松秀雄(とうまつ・ひでお)
1952年生まれ。青山学院大学博士課程単位取得。青山学院大学講師。フランス文学。
●北垣潔(きたがき・きよし)
1965年生まれ。早稲田大学大学院満期退学・青山学院大学他講師。18世紀フランス文学。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです