- 竹山道雄
- 平川祐弘=編
- 四六上製 616ページ
ISBN-13: 9784865781229
刊行日: 2017/05
美を見わける術を心得た旅の達人の足跡。シリーズ完結!
欧州へ、アジアへ、そして日本国内へ。美しいものを見わける術を心得た旅の達人の足跡。
全4巻完結!
[附]略年譜/著作一覧/人名索引
[解説]芳賀徹
[竹山道雄を読む]稲賀繁美
【本セレクションの特徴】
◎単行本・著作集に未収録の論考を積極的に収録。
◎現代的意義の大きい論考は、著作集からも精選して収録。
◎竹山を知る論者による「解説」と、より若い世代による「竹山道雄を読む」を掲載。
目次
第Ⅲ巻序 平川祐弘
第Ⅰ部 若き日の旅人
スペインの贋金/希臘にて/北京日記
第Ⅱ部 竹山道雄の文化遍歴
蓮池のほとりにて/フランス滞在/たそがれのパリ女たち/若いゲーテの転向/
私の文化遍歴/ソウルを訪れて/高野山にて/四国にて/西の果ての島/
鎌倉礼讃/タイレのこと
第Ⅲ部 美を感じて考えて語る
暗示芸術――日本の美感1/構成芸術――日本の美感2/六波羅蜜寺/
海北友松/賀茂神社の方へ/神魂神社
第Ⅳ部 歴史を見る眼
日本文化の位置
〈解説〉竹山道雄先生、その人となりと文章 芳賀徹
〈竹山道雄を読む〉贋金の裏から真理が現れる 稲賀繁美
〈附〉年譜/主要著作一覧/人名索引
関連情報
竹山は彼が生きていた時期の日本でもっとも西欧文化に通じていた日本人の一人に相違ないが、日本文化の位置を論じても、その比較文化史的な視点は驚くほど新鮮でさわやかで、その美を伝えることの名手であった。
「美の旅人」竹山は、日本にいても西洋にいても南アジアにいても、旅の達人であった。そして美しいものを見わける術を心得ていたのみか、それを珠玉の文章に綴る感受性をもちあわせた。知らないことを見ながら書きながら考えてゆく。
未知の水平線へと歩いて行く。
交通手段の発達によりスペインへ行くのもギリシャへ旅するのもいとも簡単・安直になった昨今だが、はたして誰が竹山のような旅をよくなし得るであろうか。
また同じく大和島根の国に暮らしながら、神道の美をこれほどあざやかに見据えた人がどれだけいたであろうか。
(第Ⅲ巻序より)
【編者紹介】
●平川祐弘(ひらかわ・すけひろ)
1931年東京生。比較文学比較文化。東京大学名誉教授。
竹山道雄の女婿にあたる。著書に『和魂洋才の系譜』『西欧の衝撃と日本』『マッテオ・リッチ伝』『小泉八雲』(サントリー学芸賞)『ラフカディオ・ハーン――植民地化・キリスト教化・文明開化』(和辻哲郎文化賞)『天ハ自ラ助クルモノヲ助ク――中村正直と〈西国立志編〉』『アーサー・ウェイリー『源氏物語』の翻訳者』(エッセイスト・クラブ賞)『ダンテ『神曲』講義』『内と外からの夏目漱石』『竹山道雄と昭和の時代』など、訳書にダンテ『神曲』、ボッカッチョ『デカメロン』、マンゾーニ『いいなづけ』(読売文学賞)他多数。
2016年より『平川祐弘決定版著作集』全34巻(勉誠出版)刊行中。