- 川勝平太+鶴見和子 著
- B6変上製 256頁
ISBN-13: 9784865781342
刊行日: 2017/8
詩学(ポエティカ)と科学(サイエンス)の統合――待望の新版刊行!
「日本の学問は、形式論理学的な構築物だけでなくて、そこに美学ないし詩学が総合されたものになるだろう。」
――川勝平太
「私は、詩学(ポエティカ)のない学問はつまらないと思ってるの。私の基礎というのは、やっぱり歌のなかにある。」
――鶴見和子
★川勝平太による充実した「新版の序」収録!
目次
新版の序 川勝平太
まえがき 川勝平太
内発的発展論の可能性 川勝平太
第一場 方法としての類推
第二場 地域から地球へ
第三場 新しい学問に向けて
第四場 萃点の時空
第五場 創造の秘密
第六場 生かし生かされる
第七場 萃点としての人々
志をつぐ――対談を終えて 川勝平太
関連情報
「南方熊楠、今西錦司、鶴見和子を年代的に並べると、南方が1867年生まれ、今西が1902年生まれで、先生が一番若いですが、南方が曼荼羅、今西が自然学、先生が両者を総合された。いずれも地球的自然を全体としてとらえている。」
――川勝平太
「お書きくださいました「解説」を見て、こういうふうに私の内発的発展論を読みこんでくださった方は、いままでなかったんです。(…)どれもこれも私がこういうことをやりたいと思っていることを、じつに的確に、しかも明確に鋭く書き出していただいた。まずそれにびっくりしたんです。どうしてこんなふうに見ていただけたんだろうと。」
――鶴見和子
著者紹介
●川勝平太(かわかつ・へいた)
1948年生まれ。静岡県知事。専攻・比較経済史。早稲田大学大学院で日本経済史、オックスフォード大学大学院で英国経済史を修学。D.Phil.(オックスフォード大学)。早稲田大学教授、国際日本文化研究センター教授、静岡文化芸術大学学長などを歴任し、2009年7月より現職。
著書に『日本文明と近代西洋――「鎖国」再考』(NHKブックス)、『富国有徳論』『文明の海洋史観』(ともに中公文庫)、『「美の文明」をつくる』(ちくま新書)、『経済史入門』(日経文庫)、『海から見た歴史』『アジア太平洋経済圏史1500-2000』(編著)『「東北」共同体からの再生』(共著)『「鎖国」と資本主義』『日本思想の古層』(共著)(以上、藤原書店)など多数。
●鶴見和子(つるみ・かずこ)
1918年東京生まれ。上智大学名誉教授。専攻・比較社会学。66年プリンストン大学社会学博士号を取得。69年より上智大学外国語学部教授、同大学国際関係研究所員を務める(82-84年、同所長)。95年南方熊楠賞受賞。99年度朝日賞受賞。
15歳より佐佐木信綱門下で短歌を学び、花柳徳太郎のもとで踊りを習う(20歳で花柳徳和子を名取り)。1995年12月24日、自宅にて脳出血に倒れ、左片麻痺となる。2006年7月31日歿。
著書に『コレクション鶴見和子曼荼羅』(全9巻)、シリーズ『鶴見和子・対話まんだら』、『歌集 回生』『歌集 花道』『歌集 山姥』『遺言』(以上、藤原書店)など多数。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです