原荘介
四六上製布クロス装 384ページ
ISBN-13: 9784865781526
刊行日: 2017/11
ギターひき語り半世紀。
“団塊の世代”への青春讃歌。
今、心の引き出しを開けると、心ふれあう数々の思い出が、ふつふつと甦る。
“銀幕の天才”の森繁久彌さん、「月光仮面」の川内康範さん、「七人の侍」の土屋嘉男さん、「上を向いて歩こう」の中村八大さん……大好きだった先輩たちとの出会いと別れ。
男、荘介の壮大な……抒情歌。
【特別寄稿・私と子守唄】
伊東弘泰/因幡 晃/ジュディ・オング/香西かおり/斎藤寿孝/さとう宗幸/三遊亭鳳楽/西舘好子/服部克久/星由里子/森繁建/山谷初男
目次
まえがき
プロローグ
第1幕 心の師匠、俳優・森繁久彌さん
「どうしてそんなにギターを泣かすんだ」
原荘介さんのこと 森繁 建
流転する人間の唄 森繁久彌+原 荘介
第2幕 “義”に生きた作家・川内康範さん
「人のためにすることは、すべて愛なんだ」
荘介よ、がんばれ! 川内康範
原君へ 川内康範
遠い日に師と呼ばれた男より 川内康範
荘介君に 川内康範
通俗的な褒めかたは似合わない! 川内康範
私の生い立ち 原 荘介
第3幕 兄貴のような存在、俳優・土屋嘉男さん
「しょっちゅう一緒で、弟みたい」
卑弥呼のいる家 土屋嘉男
子守唄の偉大な力 土屋嘉男
第4幕 胸を借りた魂の音楽、作曲家・中村八大さん
「生涯、男に惚れたというのは、あなたしかいない」
私と子守唄 中村八大
第5幕 素敵な姉御、歌手・石井好子さん
「これは気持ちだからね」
ほほえみの人 石井好子
父の子守唄 石井好子
第6幕 童女のごとき作家・森村桂さん
「輝くには光が要る」
心のひき出しに子守唄あり 森村 桂+原 荘介
第7幕 〈対談〉心寄せるお姉さん、“新宿の母”栗原すみ子さん
「しょうがない弟みたいな存在」
亡き父の想い出 栗原すみ子
第8幕 子守唄の兄貴分、詩人・松永伍一さん
「残酷な歌を吐き出すことで、それをせずにすんだんだよ」
子守唄 その土壌・風土 松永伍一+加藤登紀子+原 荘介
第9幕 わが心の友、笹倉明さん、淡谷のり子さん、伊東弘泰さん
日本のふる里としての子守唄 笹倉 明+原 荘介
子守唄・津軽・かまりっこ 淡谷のり子+原 荘介
アビリティーズ協会・伊東弘泰さんへ 原 荘介
男のロマン――日本子守唄フェスティバル第1回 エピソード 原 荘介
「五木の子守歌」を生んだ谷間の五木村――その美しい村が今、ダムの底に沈む 原 荘介
私と子守唄
伊東弘泰(日本アビリティーズ協会会長)
因幡 晃(シンガーソングライター)
ジュディ・オング(女優・歌手)
香西かおり(歌手)
斎藤寿孝(ハーモニカ奏者)
さとう宗幸(歌手・俳優)
三遊亭鳳楽(落語家)
西舘好子(日本子守唄協会理事長)
服部克久(作曲家)
星由里子(女優)
森繁 建(森繁久彌氏次男)
山谷初男(俳優)
心の引き出し 開けてみて――子守唄に捧ぐ 永井一顕(読売新聞記者)
あとがき
関連情報
自分がヒト(人)としてヒト(人間)を思いやると言う、ごく当り前の事を忘れかけていることに気が付いて、どうにかしてヒト(人間)としての自分を取り戻してみたい……
子守唄を研究し、集めて歌っていきたいと決心したのは、多分そんな思いがふと、心の中をよぎった時だったからかもしれない。
ヒト(人間)は生まれ出た瞬間から、遠くにうすぼんやりと霞んで、見えるようで見えないゴールを目指して歩き進まなければならないのです。その深い深い哀しみと、恐怖と、不安におびえながら、小さなもみじの様な手をしっかりと握りしめて「オギャーオギャー……」と泣き叫ぶのです。
●原 荘介(はら・そうすけ)
1940年秋田県大館生。ギタリスト、子守唄研究の第一人者、ギターひき語りの第一人者。
小樽商科大学卒業。東海汽船勤務を経て、1967年にギタリストとして独立。クラシックギターを溝淵浩五郎、大西慶邦の両氏に師事。ひき語りを下沢五郎氏に師事。日本演奏家協会(日本音楽ユニオンの前身)の設立から参加(副委員長)。日本芸能実演家団体協議会(芸団協)労災委員長・組織委員長を務めた。日本クラシカルギターひき語り協会会長。
“クラシック・ギターひき語り”を指導するかたわら、国内はもとより、ベルギー・ブリュッセルを中心に海外でも活発に音楽活動を行う。ライフワークとして、海外日本人学校をめぐり、子供たちにギターの音色を届けて歩く。ベルギーで盲目のジャズピアニストのニコ&シモンの兄弟と出会い、ソニシ・バンクーバー・トリオを結成、1994~95年、全国35公演を実施。
もうひとつのライフワークである子守唄は、40余年にわたって調査収集し、その発表に精力的に取り組んでいる。日本全国の子守唄138曲(CD8巻+歌詞集+鑑賞アルバム)は文化庁の協力を得て完成され、貴重な資料として高く評価されている。
2009年~7年間、日本テレビ文化センター「歌の祭典」審査委員長。10年間、SSW(シンガーソングライター)フェスティバルを青梅で開催。「荘介のたまり場」103回進行中。