- 浪川 健治・古家 信平=編
- 菊大並製 336ページ
ISBN-13: 9784865781557
刊行日: 2017/12
明治維新150年記念に贈る 新しい日本史!
◎江戸に育まれた文化・生活は明治にも生き続け、明治における近代化は、江戸期に培われた土壌の上に築かれた。
◎「鎖国の時代」と言われる江戸期も、絶えず文化は交流し、社会は変化し流動していた。
◎政治的な時代区分にとらわれず、人と地域の?連続した歴史?のうねりを捉える。
◎「明治維新一五〇年」と謳われる今、?時代区分?を問い直し、日本における「近代」の実像を探る。
◎琉球/沖縄の社会・生活への多角的なアプローチからも、地域社会における、それぞれ独自の“時間”の認識のありようが見えてくる。
目次
はしがき
〈序〉連続する「時間」と「空間」からの日本史
浪川健治・古家信平
Ⅰ 考える――学問と知識人
グローバル・ヒストリーのなかの近世日本
デビッド・ハウエル
琉球王府の外交官と異国船
武井基晃
十八世紀末の儒学受容と世界認識
吉村雅美
知の歴史学と近代世界の誕生
ショーン・ハンスン
物産開発を支えた技術理念――大島高任の軌跡
岩本和恵
「邦楽」と「洋楽」――二つの音楽世界に生きた人々
北原かな子
地域名称「満洲」の起源――江戸時代知識人の空間認識の展開
楠木賢道
〈コラム〉北原かな子 「歌」を歌えなかった明治の日本人
〈コラム〉武井基晃 琉球時代から近・現代の孔子廟の履歴
〈コラム〉楠木賢道 奇兵隊が奪った小倉藩の蔵書『七経孟子考文補遺』
Ⅱ 暮らす――地域と暮らし
沖縄の南北格差――辺野古の苦悩
古家信平
九州の遊郭拡大を支えたもの――軍隊・炭坑・港湾
宮内貴久
馬鈴薯の十九世紀
清水克志
下野国思川水系・流域の生業世界
平野哲也
近代沖縄における網と豚の資本主義――明治期にみる漁業経営の変容と民俗文化
及川 高
沖縄における豚便所の民俗とその廃止
萩原左人
商店街前夜――買い物空間の創出と商店主たちの連帯
塚原伸治
〈コラム〉宮内貴久 江戸名工に連なる奥会津の大工
〈コラム〉清水克志 戦前期日本一のキャベツ産地・岩手の形成に果たした盛岡近郊の人々の役割
〈コラム〉塚原伸治 現代の近江商人
Ⅲ 変わる――社会と人間
重なり合う「内憂」と「外患」
浪川健治
由 緒――語られる「家」の歴史
根本みなみ
士族というあり方――地域指導者の自己意識
山下須美礼
身分意識の高揚と民俗社会――西南戦争下の阿蘇谷の打ち毀し
柏木亨介
祭礼(たち)の明治維新
中里亮平
韓国の祖先祭祀を通してみる歴史と現在の関係
神谷智昭
〈コラム〉山下須美礼 東北の東方正教
〈コラム〉中里亮平 祭礼からみる歴史、時代と「例年通り」
〈コラム〉柏木亨介 ハンセン病施策の近代
〈附〉関連年表(1368~1997)
編集後記