- 新保祐司
- 四六並製 208ページ
ISBN-13: 9784865781724
刊行日: 2018/04
私たちは、なぜこの曲に心打たれるのか
昭和15年、北原白秋と信時潔の二人の天才によって生み出された奇跡の交声曲「海道東征」。
戦後封印され、いま復活を遂げたこの曲の精神史的意義を、より深く知るための必読の一冊。
「海道東征」は、一つの奇跡である。少しも古びていない。永遠に新しい。 ―新保祐司
目次
序
交声曲 「海道東征」 (作詩 北原白秋/作曲 信時潔)
第?章 余は如何にして「海道東征」と出会いし乎
第?章 「海道東征」の復活
第?章 「海道東征」とは何か
1 「海道東征」という奇跡
2 信時潔とは何者か
3 「海道東征」の封印と復活
4 「古典」を取り戻すために
あとがき
関連情報
戦後70年の封印を解かれて復活し、今、大きなうねりを生んでいる交声曲「海道東征」とは何か? 詩人・北原白秋と作曲家・信時潔という二人の天才によって奇跡的に生み出された歴史的背景と、その「古典」としての精神史的な意味を、復活劇を牽引した最適任者がわかりやすく解き明かす。
【著者紹介】
●新保祐司(しんぽ・ゆうじ)
1953年生。東京大学文学部仏文科卒業。文芸批評家。現在、都留文科大学教授。
著書に、『内村鑑三』(1990年。2017年、文春学藝ライブラリー)『文藝評論』(1991年)『批評の測鉛』(1992年)『日本思想史骨』(1994年)『正統の垂直線――透谷・鑑三・近代』(1997年)『批評の時』(2001年)『国のさゝやき』(2002年)『信時潔』(2005年)『鈴二つ』(2005年)[以上、構想社]、『島木健作――義に飢ゑ渇く者』(リブロポート、1990年)、『フリードリヒ 崇高のアリア』(角川学芸出版、2008年)『異形の明治』(2014年)『「海道東征」への道』(2016年)[以上、藤原書店]『シベリウスと宣長』(2014年)『ハリネズミの耳――音楽随想』(2015年)[以上、港の人]『明治頌歌――言葉による交響曲』(展転社、2017年)がある。
また編著書に、『北村透谷――〈批評〉の誕生』(至文堂、2006年)、『「海ゆかば」の昭和』(イプシロン出版企画、2006年)、『別冊環? 内村鑑三 1861-1930』(藤原書店、2011年)がある。
2007年、第8回正論新風賞、2017年、第33回正論大賞を受賞。