- 小島英記 著
- 四六上 336頁
ISBN-13: 9784865781786
刊行日: 2018/6
公共と交易の視座から新しい国家像を提示!
「おれは、今までに恐ろしいものを二人みた。それは横井小楠と西郷南洲だ」(勝海舟)
「日本に仁義の大道を起こさねばならない。強国になるのではない。強国があれば必ず弱国が生まれ、侵略するからだ。この道を明らかにして世界の世話焼きにならねばならぬ」(横井小楠)
目次
主な登場人物
序 章 海舟もたまげた高調子な思想
骨抜きになった小楠思想
第一章 腕白坊主の誕生
疲弊する熊本藩 大志 藩校時習館
武士子弟の不良化 父の死
第二章 江戸遊学はしくじった
藤田東湖 酒失 無念の帰国
第三章 実学党に結集する
逼塞 『時務策』 改革の気運
小楠堂
第四章 広がる世界で人物探し
朱子学者の自負 上国遊歴 天下、人材大払底
同志
第五章 好意あふれる福井藩
大歓迎・大反響 天下広しといえど 『学校問答書』
『文武一途の説』 黒船
第六章 攘夷派の象徴、水戸斉昭
『夷虜応接大意』 水戸へ不信感
決別 『海国図志』の衝撃
第七章 太公望か諸葛孔明か
春の足音 松平慶永 福井からの使者
波瀾万丈の福井藩史 招聘難航
第八章 希望の天地で理想を説く
招聘 将軍継嗣・条約勅許問題 日米修好通商条約
慶永失脚 憂愁のなか小楠頑張る
第九章 富国論で藩政改革
産物会所 文久改革派 『国是三論』
春嶽対面 榜示犯禁
第十章 幕政を主導する
公武合体 政事総裁職 参覲交代を廃止
登用話、急浮上 真の開国 慶喜の正論
第十一章 乾坤一擲、不慮の災禍で失速
破約攘夷・全国会議 大久保忠寛の大政奉還論 将軍上洛決定
士道忘却 武士は棄り候 福井へ避難
第十二章 天下に大義理を立てるべく
攘夷決定 挙藩上洛計画は大手違い 藩論一変、小楠失意
沼山津閑居
第十三章 維新の奔流
『海軍問答書』 南洲・海舟・小楠 小楠先生は二階へ上がって
闘病 王政復古
終 章 暗殺、未来の可能性を断つ
遺表 誤解と偏見
あとがき
横井家略系図
主要参考文献
横井小楠年譜(1809-69)
主要人名索引
著者紹介
●小島英記(こじま・ひでき)
1945年福岡県八女市生まれ。早稲田大学政治学科卒業。日本経済新聞のパリ特派員、文化部編集委員などを経て作家となる。
幕末維新をテーマとする作品に『小説・横井小楠』(藤原書店)、『幕末維新を動かした8人の外国人』(東洋経済新報社)がある。
時代小説も多く手がけ、『塚原卜伝 古今無双の剣豪』『伊藤一刀斎 天下一の剣』(いずれも日経文芸文庫)や柳生石舟斎の生涯を描いた『孤舟沈まず』(日本経済新聞出版社)、針ヶ谷夕雲を主人公にした『転覆記』(講談社)、『強情・彦左』(日本経済新聞社)など。
評伝・伝記小説に『剣豪伝説』(ちくま文庫)、『宮本武蔵の真実』(ちくま新書)、『第二の男』(日本経済新聞出版社)、『男の晩節』(日経ビジネス人文庫)、『宰相リシュリュー』(講談社)など多数。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです