1 「在日」を生きる
朝鮮人の人間としての復元
「差別」の中の起点と視点
「連帯」ということについて
違いの確認
2 民族教育をめぐって
朝鮮語と出会う人々
いま、我々は何をなすべきか
民族教育への一私見
兵庫における民族教育の実践――在日韓国・朝鮮人の民族教育の歴史と現実
〈在日〉の可能性を生きる世代たち――子どもの自立を求めて
本名をはばむもの――似て非なる関係に抗する言葉と教育の模索
3 文学論
現代社会の生と詩――ほんとうのことから遠すぎる
詩を生きるものとして
私の日本語と在日の文学
あとがき(金時鐘)
〈解説〉「私」が「私たち」となるために(中村一成)
〈解題〉真の連帯への問いかけ 講演集Ⅰ(細見和之)
関連情報
●金時鐘 (キム・シジョン)
1929年(旧暦1928年12月)朝鮮釜山に生まれ、元山市の祖父のもとに一時預けられる。済州島で育つ。48年の「済州島四・三事件」に関わり来日。50年頃から日本語で詩作を始める。在日朝鮮人団体の文化関係の活動に携わるが、運動の路線転換以降、組織批判を受け、組織運動から離れる。兵庫県立湊川高等学校教員(1973-92年)。大阪文学学校特別アドバイザー。詩人。
主な作品として、詩集に『地平線』(ヂンダレ発行所、1955)『日本風土記』(国文社、1957)長篇詩集『新潟』(構造社、1970)『原野の詩――集成詩集』(立風書房、1991)『化石の夏――金時鐘詩集』(海風社、1998)『金時鐘詩集選 境界の詩――猪飼野詩集/光州詩片』(藤原書店、2005)『四時詩集 失くした季節』(藤原書店、2010、第41回高見順賞)他。評論集に『さらされるものと さらすものと』(明治図書出版、1975)『クレメンタインの歌』(文和書房、1980)『「在日」のはざまで』(立風書房、1986、第40回毎日出版文化賞。平凡社ライブラリー、2001)他。エッセーに『草むらの時――小文集』(海風社、1997)『わが生と詩』(岩波書店、2004)『朝鮮と日本に生きる』(岩波書店、2015、大佛次郎賞)他多数。