Ⅰ 奇跡の対話
一 渋沢栄一の孫として――鮫島純子の子ども時代
頭をなでてくれた祖父、渋沢栄一/「お読み上げの時間」と落語/新渡戸稲造先生との語らい/渋沢栄一の心と、世界の平和への念い ……ほか
二 北の大地に生まれて――宇梶静江の子ども時代
父の田んぼを手伝う、そして差別/アイヌはみんなで分けあって、喜びあって歌を歌う/両親のぬくもりが、私をつくった/アイヌに川一本でも返してください ……ほか
三 奇跡の出会い――190歳の対話
一挙手一投足に神様を感じて――静江さんに学んで/白老に移住して、「場」をつくる/カッケマツの女らしい強さ――アイヌに学ぶ ……ほか
四 甘くは生きてこなかった――宇梶静江、現在まで
知里真志保先生との出会い/友だちに誘われ、父の承諾を得て上京/壺井繁治先生のもとで詩を書きはじめる/自分自身を認めるということ ……ほか
五 地球が平和になるまで――鮫島純子、現在まで
自分の内面を見つめて/師との出逢いが人生を変えた/戦争中の食べ物のこと/祖父の考えを受け継いだ父のこと ……ほか
六 未来へのメッセージ――むすびの対話
経済の冷たい力ではなく、温かいアイヌの力を/「世界人類が平和でありますように」と祈るだけです/母親という大切な仕事/「アイヌ学」に、ともに期待する ……ほか
Ⅱ 宇梶静江の歩み
一 生い立ち
大地震の中での誕生/開放的だった母のこと/相撲が強かった父“ツネさん”/きれいなものが好きだった/海の美しさに感動した/「戦争が終わったら、こんないいことない」/卒業証書がない、就職できない/冬の間に和裁・洋裁を習得 ……ほか
二 勉強がしたい
「嫁には行かない。学校に行く」/20歳で、札幌の中学校へ/知里真志保先生の御恩/アイヌモシリを離れて東京へ/喫茶店勤めから結婚へ ……ほか
三 ウタリたちとともに
『詩人会議』でのデビュー/1972年、『朝日新聞』投稿「ウタリたちよ、手をつなごう」/東京のアイヌの実態調査/「内なるアイヌ」ともがき続けた/「古布絵」を発見 ……ほか
Ⅲ 鮫島純子の歩み
一 家族のこと
備中池田家出身の母/才媛だった渋沢栄一の長女/渋沢家の同族会/従兄、渋沢敬三のこと ……ほか
二 幼稚園から女子学習院まで
女子師範附属竹早幼稚園に通う/女子師範附属竹早小学校/日本女子大附属の女学校/女子学習院に入学/西ヶ原の家/西巣鴨の家/不穏な時代の空気と、渋沢家の平和思想 ……ほか
三 結婚と戦争中の生活
鮫島家と岩倉家/婚約、そして結婚/三回の披露宴、その最中の空襲/仲人をしてくださった鈴木貫太郎首相 ……ほか
四 戦火の中の子育て
日米開戦、父の死/名古屋に転勤/大地震と空襲/平岡円四郎さんの御縁で ……ほか
五 戦後の日々
終戦の日/やっと東京で家族一緒に/疲れ果てて戦地から戻った義父/義母との生活/精神的成長を日々感じながら ……ほか
渋沢家系図/池田家系図/岩倉・鮫島家系図/関連年譜