- 北原糸子 著
- A5上製 512頁 カラー口絵8頁 モノクロ口絵4頁
ISBN-13: 9784865783766
刊行日: 2023/1
災害史研究の第一人者による、関東大震災百周年記念出版
関東大震災(1923年)を、都市計画等のみの視点でなく、避難民・犠牲者・罹災者という“人間”に焦点をあてて描いた『関東大震災の社会史』(2011年刊)を中心に、「近代復興」の系譜を、起点としての関東大震災、それを引き継ぐ昭和三陸津波(1933年)、そして東日本大震災へと辿る、“震災と人間”研究の決定版。
目次
はしがき
第Ⅰ部 「近代復興」の起点・継承・その終焉――関東大震災・昭和三陸津波・東日本大震災
序 関東大震災と東日本大震災をつなぐ昭和三陸津波
第1章 昭和三陸津波 東北の震災近代復興
第2章 昭和三陸津波 リーダーの存在と復興への道
第3章 「近代復興」の終焉・東日本大震災――その起点・関東大震災からの系譜
第Ⅱ部 関東大震災の社会史
はじめに
序章 メディアが捉えた震災
第1章 関東大震災の救護と復興計画
第2章 震災地の罹災者・東京――救護の力
第3章 バラック設置から閉鎖まで
第4章 地方へのがれる避難民
第5章 震災義捐金を活かす
終章 帝都復興計画の行方
第Ⅲ部 関東大震災・資料篇
1 関東大震災における避難者の動向――「震災死亡者調査票」の分析を通して
2 関東大震災における下賜金について
あとがき
震災関連年表(1917-34) 関東大震災~昭和恐慌~昭和三陸津波
事項索引
人名索引
著者紹介
●北原糸子(きたはら・いとこ)
1939年山梨県生まれ。1962年、津田塾大学学芸学部英文科卒。1971年、東京教育大学大学院文学研究科日本史専攻修士課程修了。神奈川大学歴史民俗資料学特任教授、立命館大学歴史都市防災研究センター特別招聘教授、国立歴史民俗博物館客員教授、歴史地震研究会会長等を歴任。2019年、日本自然災害学会学会賞(功績賞)受賞、2020年、第30回南方熊楠賞受賞。
主要著書に『都市と貧困の社会史――江戸から東京へ』(1995)、『磐梯山噴火――災異から災害の科学へ』(以上吉川弘文館、1998)、『近世災害情報論』(塙書房、2003)、『関東大震災の社会史』(朝日新聞出版、2011、本書第Ⅱ部に相当)、『安政大地震と民衆』(三一書房、のち講談社学術文庫『地震の社会史』2013)、『津波災害と近代日本』(吉川弘文館、2014)、『日本震災史――復旧から復興への歩み』(ちくま新書、2016)、『震災と死者――東日本大震災・関東大震災・濃尾地震』(筑摩選書、2021)、『日本災害史』(編書、2006)、『日本歴史災害事典』(共編書、2012)、『写真集 関東大震災』(編書、以上吉川弘文館、2010)他。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです