- 『黒田杏子の世界』刊行委員会 編
- 四六上製 440頁・カラー口絵8頁
ISBN-13: 9784865784169
刊行日: 2024/3
稀有の俳人 一周忌記念出版
「藍生」主宰、「件の会」同人として、俳句へのゆるぎない信頼を根幹に活動しつつ、俳句界を超えて人と仕事を結び、文化を育んだ稀有の俳人。
交遊のあった文化人・俳人・「藍生」会員など多数の方々の寄稿により、84年の生涯を多角的に照らす。
目次
第Ⅰ部 黒田杏子のことば
働く女と俳句のすすめ――句座の連帯の中で/「獏」ってなに?/「藍生」創刊ごあいさつ/花の闇 螢川/ご恩――飯田龍太先生/三人の師に導かれて――山口青邨・暉峻康隆・金子兜太
黒田杏子遺句集『八月』から(長谷川櫂)
黒田杏子の百句(髙田正子選)
黒田杏子句碑一覧
第Ⅱ部 黒田杏子を偲ぶ
(一)
宇多喜代子/宮坂静生/飯田秀實/金子眞土/キーン誠己/山田不休
(二)
藺草慶子/井口時男/井上弘美/井上康明/黒岩徳将/神野紗希/小林貴子/小林輝子/駒木根淳子/坂本宮尾/関悦史/高岡修/高野ムツオ/津久井紀代/対馬康子/永瀬十悟/中原道夫/中村和弘/夏井いつき/西村和子/仁平勝/橋本榮治/藤川游子/星野高士/細谷喨々/堀田季何/毬矢まりえ/武良竜彦/山下知津子/横澤放川/若井新一/和田華凜
(三)
荒このみ/池内俊雄/池谷キワ子/一澤信三郎/いとうせいこう/遠藤由美子/北村皆雄/古池五十鈴/志村靖雄/下重暁子/竹内紀子/竹田美喜・井上めぐみ/中野利子/ジャニーン・バイチマン/蓮實淳夫/林茂樹/古川洽次/堀切実/松木志遊宇/松田紅子/丸山登/矢野誠一/吉行和子
(四)
伊藤玄二郎/上野敦/内田洋一/加古陽治/佐山辰夫/澤田勝雄/下中美都/鈴木忍/高内小百合/高村幸治/浪床敬子/和氣元
第Ⅲ部 「藍生」会員から
安達潔/安達美和子/五十嵐秀彦/池田誠喜/石川仁木/磯あけみ/糸屋和恵/今井豊/岩上明美/岩田由美/岩魚仙人/植田珠實/牛嶋毅/畝加奈子/遠藤由樹子/大矢内生氣/岡崎弥保/河辺克美/北垣みどり/金利惠/草野力丸/久保羯鼓/後藤智子/近藤愛/佐藤洋詩恵/城下洋二/杉山久子/鈴木牛後/鈴木隆/高浦銘子/髙田正子/髙橋千草/髙橋冨久子/田中まゆみ/寺島渉/董振華/中岡毅雄/長﨑美香/名取里美/成岡ミツ子/二階堂光江/橋本薫/畠山容子/原真理子/半田里子/半田真理/肥田野由美/平尾潮音/深津健司/アビゲール・フリードマン/細井聖/前田万葉/益永涼子/マルティーナ・ディエゴ/三島広志/水田義子/森川雅美/森田正実/門奈明子/山本浩/ローゼン千津/渡部健/渡邊護/渡部誠一郎
「あとがき」風に(筑紫磐井)
謝辞(黒田勝雄)
黒田杏子主要著作一覧/黒田杏子略年譜(1938‐2023)(作成=中野利子)
関連情報
黒田杏子は2023年3月13日、飯田蛇笏・龍太の山廬における講演を終えたのち俄に倒れられた。本書はその急逝を悼んだ人々が集い合っての追悼文集である。
第Ⅰ部には、黒田杏子の評文のうち、単行本に未収録のものなどを掲げた。その面影を想い起さんがためである。さらに永年の俳句同行者による最終句集の十句鑑賞と代表句百句を掲げた。
第Ⅱ部には、その活発な文学活動に賛助を惜しまなかったみなさんの追悼文を、さらに俳壇において偕に活動した俳人のみなさん、そのさまざまな文化的社会的活動に縁をもった文化人のみなさん、関連するメディアの編集者のみなさんからの寄稿をいただいた。
第Ⅲ部には、主宰誌「藍生」会員のみなさんの衷心よりの追悼のことばが寄せられた。(「はしがき」より)
著者紹介
●黒田杏子(くろだ・ももこ) 略歴
俳人、エッセイスト。
1938年、東京生まれ。東京女子大学心理学科卒業。「夏草」同人を経て、1990年「藍生」創刊主宰。第一句集『木の椅子』で現代俳句女流賞と俳人協会新人賞。第三句集『一木一草』で俳人協会賞。第1回桂信子賞受賞。第五句集『日光月光』で第45回蛇笏賞受賞。2020年、第20回現代俳句大賞。2023年3月13日逝去。
句集に『木の椅子』『水の扉』『一木一草』『花下草上』『日光月光』『銀河山河』『八月』、他に『黒田杏子 句集成』全5冊、『黒田杏子俳句コレクション』全4巻(田正子編著)。著書・編著等に『金子兜太養生訓』『存在者 金子兜太』『語る 兜太』『手紙歳時記』『暮らしの歳時記――未来への記憶』『俳句の玉手箱』『俳句列島日本すみずみ吟遊』『布の歳時記』『季語の記憶』『花天月地』『「おくのほそ道」をゆく』『俳句と出会う』など多数。『証言・昭和の俳句』のプロデュース・聞き手をつとめる。
「件」創刊同人、『兜太Tota』全4号(藤原書店)編集主幹。
栃木県大田原市名誉市民。
日経新聞俳壇選者、新潟日報俳壇選者、星野立子賞選考委員、伊藤園新俳句大賞選者、吉徳ひな祭俳句賞選者、東京新聞「平和の俳句」選者、福島県文学賞(俳句部門)代表選者ほか、日本各地の俳句大会の選者をつとめた。
【刊行委員紹介】(五十音順)
坂本宮尾(さかもと・みやお)
1945年生。俳人、英文学者、東洋大学名誉教授。著書『真実の久女』『竹下しづの女』(共に藤原書店)、句集『別の朝』(図書新聞)、編著『杉田久女全句集』(角川文庫)。
筑紫磐井(つくし・ばんせい)
1950年生。俳人、評論家。著書、句集『我が時代』(実業公報社)、評論集『戦後俳句史nouveau 1945?2023』(ウエップ)、『虚子は戦後俳句をどう読んだか』(深夜叢書社)。
橋本榮治(はしもと・えいじ)
1947年生。俳人、「」代表及び編集発行人。著書、句集『放神』『瑜伽』(俳人協会賞受賞)(共に角川書店)、評論集『水原秋櫻子の100句を読む』(飯塚書店)、編著『林翔全句集』(コールサック社)。
横澤放川(よこざわ・ほうせん)
本名・横澤義夫。1947年生。日本カトリック神学院教授。句集『展掌』、編著・中村草田男句集『炎熱』(共にふらんす堂)、『季題別中村草田男全句』(角川文化振興財団)。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです